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休職中でも、復職せずに退職を申し出ることは可能です。ただし、雇用契約や就業規則によって手続きが異なるため、退職日や会社への連絡方法を確認してから進める必要があります。
「一度も復職せずに辞めてもよいのか」「会社へどのように伝えればよいのか」と、不安や罪悪感を抱えている人もいるでしょう。体調が十分に回復していない場合は、無理に復職することだけが選択肢ではありません。
退職を検討するときは、会社への伝え方や必要書類だけでなく、有給休暇、傷病手当金、失業保険など、退職後の生活に関わる制度も確認しておくことが大切です。
この記事では、休職中から復職せずに退職する手順と注意点、利用できる可能性がある手当、20代が転職活動を始める際の考え方まで解説します。
休職中に復職せずに退職することはできる?

休職したものの、体調や職場の状況を考えると復職が難しく、「一度も出社せずに退職できるのだろうか」と不安になる人もいるでしょう。休職中であっても労働契約は続いていますが、退職を申し出ることはできます。
ただし、退職までのルールは雇用契約の種類や会社の就業規則によって異なります。まずは自分の契約内容と休職期間を確認することが大切です。
休職中でも退職を申し出ることは可能
期間の定めがない雇用契約では、民法第627条により、労働者は解約を申し入れることができ、原則として申し入れから2週間が経過すると雇用契約が終了します。休職中だから退職できないという決まりはありません。
一方、契約社員など雇用期間が決まっている場合は、契約途中の退職について異なる取り扱いがあります。会社との合意や、やむを得ない事情の有無などが関係するため、雇用契約書を確認したうえで人事担当者へ相談しましょう。
雇用契約と就業規則を確認する
法律上のルールとは別に、会社の就業規則には「退職希望日の1か月前までに申し出る」「所定の退職届を提出する」といった手続きが定められていることがあります。心身の状態に余裕があるなら、就業規則に沿って早めに連絡したほうが、退職日や書類の受け取り方法を調整しやすくなります。
確認したいのは、退職の申し出期限だけではありません。休職できる期間、復職の判断方法、休職期間が満了した場合の扱い、退職金の有無なども確認しておきましょう。就業規則を手元で確認できないときは、人事担当者へ該当部分の案内を依頼しても構いません。
休職期間満了時の扱いは会社によって異なる
休職期間が終わっても復職できない場合の扱いは、全国一律ではありません。就業規則に基づいて退職となる会社もあれば、休職期間の延長や別の対応を検討する会社もあります。
「復職できなければ自動的に退職になるだろう」と考えて連絡を止めると、退職日や離職理由について認識が食い違うおそれがあります。休職期間の終了日が近い場合は、会社からの連絡を待つだけでなく、自分から今後の扱いを確認しましょう。体調面で判断に迷うときは、主治医にも相談してください。
休職中に復職せずに退職する手順と会社への伝え方
復職せずに退職すると決めたら、体調に無理のない連絡方法を選び、必要な手続きを一つずつ進めます。休職中に会社へ出向くことが難しい場合は、電話やメール、郵送で対応できるか相談しましょう。
退職希望日と連絡方法を決める
最初に、雇用契約書と就業規則を確認し、退職希望日を考えます。傷病手当金を受けている人は、退職日当日に出勤すると退職後の継続給付を受けられないため、日程を決める前に加入先の健康保険へ確認しておくと安心です。
会社への連絡は上司が基本ですが、休職中の窓口が人事担当者に指定されている場合は、その案内に従います。電話が負担になるときは、まずメールで連絡し、今後のやり取りを相談する方法もあります。
上司や人事へ退職の意思を伝える
退職理由を詳しく説明しすぎる必要はありません。「治療を続けながら検討した結果、復職が難しいため退職したい」と、現在の判断と退職の意思を簡潔に伝えましょう。謝罪だけを重ねるより、希望する退職日と手続きについて確認したいことを明確にするほうが、話を進めやすくなります。
メールで最初に連絡する場合は、次のようにまとめられます。
件名:退職のご相談(氏名)
〇〇部長
お世話になっております。現在休職中の〇〇です。療養を続けながら今後について検討しましたが、現時点では復職が難しいと判断し、退職を希望しております。
体調の都合で対面でのご相談が難しいため、退職日や必要な手続きについて、メールまたは電話でご相談させていただけますでしょうか。休職中にご配慮いただいたことに感謝しております。何卒よろしくお願いいたします。
この文面はあくまで例です。診断名などの詳しい個人情報をどこまで伝えるかは、自分の状況や会社とのやり取りを踏まえて調整してください。
退職届を提出して必要書類を受け取る
退職日が決まったら、会社の指定に従って退職届を提出します。出社が難しい場合は、郵送で提出できるか確認しましょう。送付前に写しを手元へ残しておくと、提出日や記載内容を後から確認できます。
退職後の手続きでは、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、健康保険の資格喪失を確認できる書類などが必要になる場合があります。離職票は失業保険の手続きに使うため、発行を希望する旨を会社へ伝えておきましょう。条件を満たしている場合は、マイナポータルで離職票を受け取れることもあります。
会社の荷物や貸与品を返却する
社員証、入館証、制服、パソコン、携帯電話、鍵など、会社から借りているものを確認します。返却方法は自己判断せず、郵送の可否、送付先、配送方法、送料の負担を会社へ確認してください。
会社に置いた私物がある場合も、処分を依頼するのか、郵送してもらうのかを相談します。返却物と受け取る書類を一覧にしておくと、体調が安定しない時期でも抜け漏れを防ぎやすくなります。
| タイミング | 確認すること | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 退職を申し出る前 | 雇用契約、就業規則、休職期間、退職希望日を確認する | 勤務先の人事・総務 |
| 退職日を決めるとき | 有給休暇と傷病手当金の取り扱いを確認する | 勤務先・加入先の健康保険 |
| 退職手続き中 | 退職届、貸与品の返却方法、受け取る書類を確認する | 勤務先の人事・総務 |
| 退職後 | 健康保険と年金の切り替えを行う | 協会けんぽ・市区町村・年金事務所 |
| 働ける状態になった後 | 失業保険の手続きと転職活動を始める | ハローワーク・転職支援サービス |
復職せず退職するときに確認したい有給・傷病手当金・失業保険
退職後の生活を考えるうえで、有給休暇や傷病手当金、失業保険の確認は欠かせません。ただし、休職中の人が利用できるかどうかは、それぞれ異なる条件で判断されます。制度名だけで判断せず、勤務先や公的窓口に自分の状況を伝えて確認しましょう。
休職中に有給休暇を使えるか会社へ確認する
年次有給休暇は、本来働く予定の日について労働義務を免除する制度です。すでに労働義務が免除されている休職期間中は、有給休暇へ切り替えられないことがあります。
残っている有給休暇を退職前に使いたい場合は、休職中の取り扱いとあわせて会社へ確認してください。残日数があるからといって、休職中に必ず消化できるとは限りません。会社と認識をそろえたうえで、退職日を決めることが大切です。
退職後も傷病手当金を受け取れる場合がある
傷病手当金は、業務外の病気やけがで働けず、給与を十分に受け取れない場合に、健康保険から支給される制度です。支給期間は、支給開始日から通算して1年6か月です。
退職後も継続して受け取るには、退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日時点で傷病手当金を受けているか、受けられる状態にあることなどの条件があります。退職日に出勤した場合は、資格喪失後の継続給付を受けられないため注意が必要です。
退職したことだけを理由に、すでに適正に受給した傷病手当金を返す仕組みではありません。ただし、給与や他の給付との調整が生じる場合があるため、退職前に加入先の健康保険へ確認しましょう。
参考:協会けんぽ「傷病手当金」
働ける状態になってから失業保険を申請する
雇用保険の基本手当、いわゆる失業保険は、退職すればすぐに全員が受け取れるものではありません。積極的に就職する意思があり、健康状態などの面でいつでも働け、求職活動をしていることが必要です。
病気やけがですぐに働けない場合は、基本手当を受けられません。ただし、離職日の翌日から1年以内に30日以上続けて働けないときは、受給期間を延長できる場合があります。療養中は回復を優先し、住所地を管轄するハローワークへ受給期間延長の手続きを相談しましょう。
参考:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」
健康保険と年金の切り替え手続きを行う
退職後の健康保険には、勤務先の健康保険を任意継続する、国民健康保険へ加入する、家族の健康保険の扶養に入るという主な選択肢があります。協会けんぽの任意継続は、退職日までの被保険者期間が継続して2か月以上あり、退職日の翌日から20日以内に手続きすることが加入条件です。
すぐに再就職せず、20歳以上60歳未満で配偶者の扶養にも入らない場合は、厚生年金から国民年金への切り替えも必要です。保険料や条件を比較し、自分の状況に合った手続きを進めましょう。
参考:協会けんぽ「任意継続」/日本年金機構「就職・転職・退職」
復職せず退職することに罪悪感がある20代へ|転職での伝え方
入社してからの期間が短い20代や、初めて休職した人は、「職場に迷惑をかけた」「復職してから辞めるべきではないか」と考えてしまうことがあります。しかし、体調が戻っていない状態で復職を急ぐと、再び働けなくなる可能性もあります。
復職だけを正解と考えず、主治医の意見を聞きながら、今の職場へ戻るのか、退職して療養を続けるのかを検討しましょう。
復職だけを正解と考えず体調を優先する
退職するか迷っている段階では、会社との関係や転職への不安だけで決めないことが大切です。治療の状況、生活費、利用できる給付、家族の支援などを整理すると、今すぐ決めるべきことと、回復してから考えられることを分けやすくなります。
会社とのやり取り自体が大きな負担になっている場合は、家族にそばにいてもらって連絡する方法もあります。退職を強く拒まれるなど労働条件のトラブルがあるときは、厚生労働省の総合労働相談コーナーへ相談できます。心身の不調や仕事の悩みについては、「こころの耳」の電話・SNS相談も利用できます。
転職面接では退職理由と現在の状態を簡潔に伝える
転職面接では、前職への不満を長く説明するより、退職に至った経緯、現在の状態、次の職場で安定して働くために考えていることを簡潔に伝えます。まだ就業できる状態ではない場合は、転職活動を急がず、主治医と相談しながら開始時期を決めましょう。
たとえば、「体調不良で休職し、治療に専念するため退職しました。現在は生活リズムも安定しており、今後は無理なく継続できる働き方を考えています」のように、事実と現在の状況を分けて伝えます。回復状況は人によって異なるため、自分の状態に合わない表現を使う必要はありません。
次の職場で無理なく働ける条件を整理する
20代では、職種や業界の経験がまだ少なく、自分に合う環境が分からないこともあります。前職で負担になった場面を振り返り、勤務時間、通勤時間、業務量、相談のしやすさ、教育体制など、次の職場で確認したい条件へ置き換えてみましょう。
休職した経験を無理に前向きな物語へ変える必要はありません。自分が継続して働くために必要な環境を理解できたことは、求人選びの判断材料になります。未経験の仕事へ進みたい場合も、仕事内容だけでなく、入社後の研修やフォロー体制まで確認することが大切です。
休職中に復職せずに退職する場合のよくある質問
Q.休職中に復職しないで退職できますか?
A.休職中でも退職を申し出ることは可能です。期間の定めがない雇用契約では、民法第627条が基本になります。ただし、有期雇用では取り扱いが異なるため、雇用契約書と就業規則を確認してください。
Q.休職したまま辞めても問題ありませんか?
A.復職日を設けず、そのまま退職することはできます。会社へ退職意思を伝え、退職届の提出、貸与品の返却、必要書類の受け取りなどを進めましょう。傷病手当金を受けている場合は、退職日を決める前に継続給付の条件も確認してください。
Q.復職できない場合は自動的に退職扱いになりますか?
A.休職期間が満了したときの扱いは、会社の就業規則によって異なります。自動的に退職となると決めつけず、休職期間の終了日と、復職できない場合の手続きを人事担当者へ確認しましょう。
休職中に復職せずに退職するときは体調と手続きを優先しよう
休職中でも、復職せずに退職を申し出ることは可能です。退職を決めたら、雇用契約と就業規則を確認し、会社への連絡、退職届の提出、貸与品の返却などを進めます。
有給休暇、傷病手当金、失業保険は利用できる条件が異なります。特に療養を続けている人は、退職日を決める前に加入先の健康保険やハローワークへ確認し、生活面の見通しを立てておきましょう。
体調が落ち着き、次の働き方を考えたいものの、「休職や退職をどう伝えればよいか」「未経験から応募できる仕事が分からない」と悩んでいる方は、ツナグバの無料相談をご利用ください。転職を急かすのではなく、現在の状況や希望を整理しながら、20代の仕事選びをサポートします。
休職後の働き方に不安がある方へ
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この記事を書いた人
寺井健剛(てらいけんご)
株式会社ツナグバ 公式サイト
Work Experience: 金融業界
Hobby: たくさん食べること(特にしゃぶしゃぶと赤身)
MBTI: 提唱者-INFJ-
Favorite: アニメを一気見すること
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この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
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