「退職後にやることが多すぎて、何から手をつけたらいいのかわからない…」
長年勤めた会社を離れ、新しい生活をスタートさせるとき、期待と同じくらい「これからやること」の多さに戸惑うのは、ごく自然なことです。特に、健康保険や年金、失業保険といった公的な手続きは、「間違えたらどうしよう」と不安になりますよね。
安心してください。
この記事は、あなたの不安に寄り添いながら、退職後にやること一覧を「最優先」「お金」「再就職」の3つのステップに分けて、わかりやすい順番で丁寧に解説します。
複雑に思える手続きも、一つひとつ順番に片付けていけば大丈夫。この記事を退職後の羅針盤として、焦らず、計画的に次のステージへ進みましょう。
1. 最優先で確認!退職直後にやるべきこと【公的手続きとお金】

退職後にやることの中で、特に期限が短いものや、生活に直結するものを最優先でリストアップしました。
1-1. 会社から受け取るべき書類の確認と保管
これらの書類は、退職後のさまざまな手続きで必要になります。会社を辞める前に、必ず受け取る日付と書類を確認しておきましょう。
| 書類名 | 必要な手続き | 特に注意して確認すること |
| 離職票 | 失業保険(雇用保険)の申請 | 退職理由(自己都合か会社都合か)に誤りがないか |
| 源泉徴収票 | 確定申告、新しい職場への提出 | 氏名、住所、給与額などが正確か |
| 雇用保険被保険者証 | 再就職先への提出 | 雇用保険の加入期間に誤りがないか |
| 年金手帳 | 国民年金への切り替え手続き | 会社で保管されていた場合、必ず受け取る |
書類を受け取ったら、必ず内容に間違いがないか確認し、クリアファイルなどに入れて大切に保管しておきましょう。
1-2. 国民健康保険・国民年金への加入手続き
退職後、会社員時代の健康保険と厚生年金の資格は喪失します。健康な生活と将来の年金受給のために、すぐに切り替えの手続きが必要です。
(1) 健康保険の選択と手続き(退職日の翌日から14日以内)
退職後の健康保険は、主に以下の3つの選択肢があります。
- 任意継続: 会社の健康保険に最長2年間継続加入する(保険料は全額自己負担)。
- 国民健康保険: お住まいの市区町村の役所で手続きする。保険料は前年度の所得に基づいて計算される。
- 家族の扶養に入る: 配偶者などが加入している健康保険の扶養に入る(一定の収入要件あり)。
原則、退職日の翌日から14日以内に手続きが必要ですので、事前にどの選択肢が一番お得かシミュレーションしておきましょう。
(2) 国民年金への加入手続き
厚生年金から国民年金へ切り替える手続きが必要です。これも市区町村の役所で行います。
- 大切なこと: 退職後の収入が少ない場合、保険料の免除や猶予制度を利用できる可能性があります。窓口で必ず相談してみましょう。
1-3. 失業保険の申請準備(ハローワークでの手続き)
再就職を目指す方は、失業保険(雇用保険の求職者給付)の申請をしましょう。
- ハローワークへ行く: まず、お住まいの地域を管轄するハローワークに求職の申し込みを行います。
- 離職票の提出: 会社から受け取った離職票を提出し、受給資格の決定を受けます。
- 待期期間と給付制限: 受給資格が決定すると、原則7日間の待期期間があります。自己都合退職の場合は、さらに2〜3ヶ月程度の給付制限期間が設けられます。
大切なこと: 失業保険は、退職後1年以内に申請しないと受給資格を失ってしまう可能性があります。離職票が届き次第、早めにハローワークへ行き、手続きを進めましょう。ハローワークでは、職業相談や職業訓練のサービスも受けられます。
2. お金の管理と将来設計:退職金と保険の見直し

退職後のやることの中で、経済的な不安を解消するための資金計画は非常に重要です。
2-1. 退職金の賢い活用方法と税金対策
退職金は、あなたの長年の貢献に対する大切なお金です。計画的に活用するため、まずは手取り額を把握しましょう。
活用する際のポイント
- 生活費の確保: 転職活動期間の生活費や、万が一の病気に備える「当面の生活防衛資金」として確保するのが最優先です。
- ローンの繰り上げ返済: 住宅ローンなど、残りのローンを繰り上げ返済することで、将来の利息負担を軽減できます。
- 老後資金の準備: 老後の生活費や医療費、介護費用なども試算し、長期的な視点で資産運用や預貯金を検討しましょう。
大切なこと: 退職金には、税制上の優遇措置(退職所得控除)があります。確定申告が必要になる場合もありますので、税金に関する専門的な知識を持つFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談することも有効です。
2-2. 保険の見直し:ライフプランに合った保障へ
退職は、あなたのライフスタイルが大きく変わるタイミングです。保険の「入りすぎ」や「不足」がないか、この機会に見直しましょう。
- 保障内容の確認: 現在加入している生命保険、医療保険、がん保険などの保障内容や保険料を確認します。
- 必要な保障額の検討: 扶養家族の有無や、退職後の収入源などを考慮し、本当に必要な保障額を見極めます。
- 保険料の支払い: 退職後に保険料の支払いが厳しくなる場合は、保障内容の減額や、支払い方法の変更を検討する必要があるかもしれません。
保険の見直しも、中立的な立場でアドバイスをくれるFPに相談するのがおすすめです。将来の安心のため、しっかりと検討しましょう。
2-3. 確定申告の準備(忘れがちな手続き)
退職した年は、会社で年末調整が行われないため、ご自身で確定申告が必要になる場合があります。
- 手続きの時期: 通常、翌年の2月16日から3月15日までです。
- 必要な書類: 会社から受け取った源泉徴収票、各種控除の証明書(生命保険料、医療費など)が必要です。
確定申告を行うことで、払いすぎた税金が還付される可能性があります。忘れずに手続きを行いましょう。
3. 再就職・セカンドライフに向けてやるべきこと

退職後の時間は、あなたの未来を計画するための「自己投資」の時間です。再就職の準備と、充実したセカンドライフのための行動を並行して進めましょう。
3-1. 再就職・転職活動の準備
(1) 自己分析とキャリアプランの見直し
退職は、これまでのキャリアを振り返り、今後のキャリアプランを見直す最高の機会です。
- 過去の経験の分析: 成功体験、失敗体験から、あなたの強み、価値観、興味関心などを深く掘り下げます。
- 未来の計画: どのような仕事に就きたいか、どのような働き方をしたいか、具体的な目標(5年後、10年後)を立てましょう。
自己分析を通じて、「なぜこの仕事を選ぶのか」というあなたの軸を定めることが、転職活動の成功に直結します。
(2) スキルアップ・資格取得で市場価値を高める
退職後のブランク期間を「自己投資期間」として有効活用しましょう。
- オンライン学習: Udemyやセミナーなどで、転職先の企業で役立つスキル(ITスキル、語学など)を習得する。
- 資格取得: キャリアプランに合った資格(TOEIC、簿記など)を取得し、客観的にスキルを証明する。
スキルアップや資格取得は、企業へのアピールポイントになるだけでなく、あなたの自信につながります。
(3) 転職活動の開始
自己分析とスキルアップと並行して、求人サイト、転職エージェント、ハローワークなどを活用し、計画的に活動を進めましょう。応募書類の作成や面接対策は、エージェントのサポートを受けることで、効率的かつ有利に進めることができます。
3-2. 退職後の自由時間:心と体のリフレッシュ
退職後の自由な時間は、あなたの人生を豊かにするための貴重な贈り物です。
(1) 趣味や旅行でリフレッシュ
これまで仕事に追われてできなかった趣味に挑戦したり、国内外へ旅行に出かけたりして、心身をリフレッシュさせましょう。心と体が満たされることで、転職活動にも前向きな気持ちで取り組むことができます。
(2) 健康維持を最優先にする
充実したセカンドライフを送るためには、健康が何よりも大切です。
- バランスの取れた食事: 野菜、果物、肉、魚、穀物などをバランス良く摂取しましょう。
- 適度な運動: ウォーキングやジョギングなど、無理のない範囲で体を動かすことを習慣にする。
- 定期的な健康診断: 病気の早期発見・早期治療のために、健康診断は必ず受けましょう。
(3) 社会とのつながりを保つ活動
退職後の生活は、人とのつながりが大切です。
- ボランティア活動: 自分のスキルや経験を活かし、地域社会に貢献する活動に参加する。新しい出会いや生きがいが見つかるかもしれません。
- 家族や友人との交流: 家族との時間を大切にし、友人との交流を深めることで、心の安定を保ちましょう。
4. まとめ:退職後の生活を「人生の新しいスタート」に

退職後にやること一覧は多岐に渡りますが、一つひとつを「自分の未来を作るためのステップ」と捉えて、前向きに進めていきましょう。
| ステップ | 最優先事項 |
| 最初 | 離職票の確認、国民健康保険・国民年金への切り替え手続き |
| 資金面 | 退職金の活用計画、保険の見直し、失業保険の申請 |
| 未来 | 自己分析の徹底、キャリアプランの見直し、スキルアップのための学習 |
焦らず、計画的に準備し、積極的に行動することで、退職後の生活は、あなたの人生にとって最も充実した「新しいスタート」になるはずです。
この記事を書いた人
寺井健剛(てらいけんご)
株式会社ツナグバ 公式サイト
Work Experience: 金融業界
Hobby: たくさん食べること(特にしゃぶしゃぶと赤身)
MBTI: 提唱者-INFJ-
Favorite: アニメを一気見すること
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この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
プロフィール紹介
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