退職の意思を伝え、いよいよ最終ステップである「退職面談」に臨むあなたへ。
「上司に引き止められるのでは?」「会社への不満を正直に話すべき?」 「無責任な人間だと思われたくない」
多くの方が、この退職面談に対して、緊張や不安を抱えているのではないでしょうか。
退職面談は、決してあなたを責めるためのものではありません。むしろ、会社と円満な関係を築き、気持ちよく次のキャリアへ進むための最後の重要な機会です。この面談でのあなたの振る舞いや回答が、最終的な引き継ぎの協力体制や、退職後の会社との関係性を左右します。
この記事では、「円満退職」を目指すあなたの不安に深く寄り添いながら、退職面談で聞かれる質問への後悔しないための回答戦略と、誠意を伝えるための5つの心構えを徹底的に解説します。
知っておきたい!企業が退職面談を実施する「本当の目的」
企業が退職面談を行う目的は、決して退職者のネガティブな感情を掘り起こすためではありません。面談は形式的な事務手続きではなく、企業が組織の課題解決と人材戦略に役立てるために行う、貴重なフィードバック収集の場です。面談の目的を理解することで、あなたが取るべき適切な姿勢が見えてきます。
企業は「組織改善のための情報」を求めている
会社が退職面談を行う真の目的は、あなたの退職理由を詳細に把握し、その情報を元に将来の従業員の離職を防ぐための対策を講じることにあります。
あなたの率直な意見は、組織内の隠れた問題点(労働環境、特定の部署の人間関係、評価制度の不透明さなど)を知るための貴重なフィードバックとして捉えられています。企業はこれらの情報を分析し、改善策を実行することで、従業員の定着率向上を目指しています。
この面談を「会社のための協力」と捉え、誠実に対応することで、あなたは「最後まで責任感を持った人材」というポジティブな印象を残すことができます。
会社に残す「最後の印象」が次のキャリアを左右する
面談は、会社にあなたが残す「最後の印象」を決定づけます。円満退職が実現すると、以下のようなメリットがあります。
会社との関係が良好であれば、引き継ぎや最終手続きがスムーズに進みます。また、会社を去る際にネガティブな印象を残さないため、後々元同僚や取引先として再会した際の人間関係のトラブルを防げます。さらに、転職先が前職に連絡して勤務態度などを確認する「リファレンスチェック」が行われた場合、肯定的な評価を得やすくなります。
退職面談で「本音」をどこまで伝えるべきか?
退職面談で最も悩むのが、「本当の退職理由(不満)を正直に話すべきか」という点です。これは、状況と目的によって回答戦略を変える必要があります。
「ネガティブな本音」を伝えるリスクとメリット
| 項目 | メリット | リスク(注意点) |
|---|---|---|
| ポジティブな理由(建前) | 会社にネガティブな印象を残さず、円満退職が確実に実現する。 | 会社が真の課題を見逃す可能性がある。 |
| ネガティブな本音(正直) | 組織改善に貢献できる。会社が問題の根本原因を把握できる。 | 会社や上司が感情的になり、引き止めや退職手続きが難航する可能性がある。 |
後悔しないための回答戦略
基本的には、ネガティブな本音をストレートに伝える必要はありません。
あなたが会社を去る目的は、組織改善ではなく「円満退職」だからです。ネガティブな本音は、「新しい環境への前向きな希望」というポジティブな言葉に変換して伝えましょう。
【回答戦略の基本】
| 伝えるべきこと | 避けるべきこと |
|---|---|
| 転職先に求める期待と未来の目標 | 会社への不満、批判、悪口 |
| 在籍中に得た感謝の念と学び | 個人的な感情や、特定の人物への非難 |
| 自分の成長志向 | 曖昧な理由や、嘘(矛盾が生じない範囲で) |
面談で必ず聞かれる質問と「後悔しない回答」の戦略
退職面談で頻出する質問への、円満退職を確実にするための回答テクニックを解説します。
【最重要】退職理由を深掘りする質問への回答
企業は、あなたの退職の「本当の理由」に近づく質問を様々な角度から投げかけてきます。
| 聞かれる質問例 | 回答の戦略(ポジティブ変換) |
|---|---|
| 退職を決意された一番の理由は何ですか? | 成長志向を強調。 「現職で〇〇のスキルを学びましたが、今後は△△の分野で専門性を高めたいと考えております」と、未来志向で伝える。 |
| もし改善されるなら、留まることを考えましたか? | 会社の枠組みでは実現できないことを強調。 「お気持ちは大変ありがたいですが、私の目指すキャリア(例:新規事業の立ち上げ)は、貴社の組織体制の外で挑戦する必要があると判断いたしました」と伝える。 |
| 今回の転職で最も期待していることは何ですか? | 退職理由の裏返し。 「専門性の高いチームで働くこと」「より大きな裁量権を持つこと」など、会社が提供できなかった要素を具体的に伝える。 |
会社に対する評価を問う質問への回答
会社への評価を問われた際は、「良かった点」を先に具体的に伝え、改善点は「提案」の形で伝えることで、誠意ある印象を残しましょう。
| 質問のテーマ | 回答戦略と伝えるべき内容 |
|---|---|
| 当社の良かった点は? | 具体的な感謝を伝える。 「〇〇先輩のOJTで基本的なビジネスマナーを身につけられました」「〇〇部署のチームワークは本当に素晴らしかったです」など、具体的に感謝を伝える。 |
| 改善してほしい点はありますか? | 主語を「私」にして提案する。 「〇〇が不満でした」ではなく、「私個人の意見として、若手がキャリアパスを描くための〇〇な仕組みがあれば、さらに定着率が上がるのではないかと感じました」のように提案形式で伝える。 |
今後のキャリアに関する質問への回答
あなたの将来的な目標を尋ねる質問は、「またすぐに辞めないか」という企業の懸念を解消するためのものです。
「今後のキャリアプランについて教えてください」という質問には、新しい職場での具体的な目標や、今回の転職がそのキャリアにとってどのような意味を持つのかを明確に伝えましょう。これにより、あなたが計画性を持って退職を決意したことが伝わり、企業側の不安を解消できます。
退職面談を成功させる5つの心構えと振る舞い方
面談の成功は、質問への回答内容だけでなく、あなたの「姿勢」にかかっています。誠意ある振る舞いを徹底しましょう。
話しやすい雰囲気作りへの協力
面談担当者が話しやすい雰囲気を作ろうとしてくれたら、あなたもそれに応えることが大切です。
面談担当者が世間話や近況報告などでアイスブレイクをしてきたら、あなたもリラックスした姿勢で応じ、警戒心を解きましょう。面談の場所が会議室などであっても、落ち着いた態度で臨むことで、建設的な話し合いがしやすくなります。
傾聴の姿勢を徹底する(遮らず、丁寧に聞く)
面談担当者の話や質問を遮ったり、否定したりするのは絶対に避けましょう。
傾聴の姿勢では、相手の話を注意深く聞き、「そうだったんですね」、「貴重なご意見ありがとうございます」など、適切な相槌や共感を挟みながら関心を示すことが重要です。話を聞いた後で、「つまり、〇〇ということですね」といった要約や確認の言葉を挟むことで、あなたが内容を正確に理解していることを伝え、相手に安心感を与えることができます。
否定しない、説得しない、遮らない態度
面談担当者が引き止めたり、会社の正当性を主張したりしても、感情的にならず、冷静に対応しましょう。
あなたの目的は「組織改善の情報を伝えること」であり、「説得合戦をすること」ではありません。「感情的にならず、否定したり、会社の正当性を主張したりすることは絶対に避けましょう」という原則を守り、「ご意見ありがとうございます」、「貴重なフィードバックとして受け止めます」といった言葉で、相手の意見を尊重する姿勢を貫きましょう。
面談後の「機密保持」の確認
面談の冒頭で、「この面談で話された内容は、組織改善のためにのみ使用し、個人が特定できる形で社内に共有することはありません」と担当者が約束してくれた場合も、最後に改めて「本日の内容は組織改善にのみ使用ということでよろしいでしょうか」と確認しておくと、より安心です。これにより、あなたが本音で話した情報が意図せず流出するリスクを最小限にできます。
まとめ:不安を解消し、自信を持って次のステップへ
退職面談は、会社との関係を円満に完了させるための最終関門です。
「無責任な人だと思われたくない」という不安を抱える必要はありません。あなたの誠意ある態度と、戦略的な回答準備があれば、円満退職は必ず実現します。
- 退職理由を「未来の目標」としてポジティブに変換する。
- 聞かれる質問への回答戦略を事前に準備する。
- 誠実な態度と感謝を伝え、最後までプロとして振る舞う。
この面談を乗り越えれば、あなたは晴れやかな気持ちで次のキャリアへ進めます。あなたの新しい挑戦を心から応援しています。
【次のキャリアへ進むあなたへ】
退職面談を終えたら、次は新しい就職・転職活動に集中しましょう。特に20代のキャリアチェンジや未経験転職で不安がある場合は、専門のエージェントに相談するのが最も効率的です。ツナグバでは、あなたの経験やポテンシャルを最大限に活かす転職先のご紹介や、面接対策を徹底的にサポートしています。ぜひ一度、無料相談をご活用ください。
この記事を書いた人
竹本 甲輝(たけもとこうき)
株式会社ツナグバ 公式サイト
Work Experience: 飲料メーカー
Hobby: ゴルフ
MBTI: 論理学者-INTP-
Favorite: ホットドックとソフトクリーム
未経験でも不安を寄り添いながら解消し、あなたの希望や価値観を丁寧に汲み取るサポートが強みです!一緒に面接対策を重ね、内定後も手厚いフォローで、次のステップを安心して進めるお手伝いをします!
転職の「無料相談」はこちらから。
転職の「無料相談」はこちらから。

この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
プロフィール紹介
転職の「適職診断」はこちらから。
転職の「適職診断」と「チャット相談」はこちら(LINE)から。

よくある質問(FAQ)
退職面談では、何を聞かれることが多いですか?
よく聞かれるのは「退職理由」「退職日・最終出勤日」「有給消化の希望」「引き継ぎ状況」「今後の進路(答えたくなければ無理に言わない)」などです。
退職面談は“詰問”ではなく、退職までの段取りを整理する場になりやすいので、 事前にスケジュールと引き継ぎ計画をまとめておくと安心です。
退職理由は、どんな言い方をすれば円満に進みますか?
円満退職を目指すなら、退職理由は「前向きな表現」にまとめるのが基本です。 人間関係や待遇など不満が本音だったとしても、感情的に批判すると関係が悪化しやすくなります。
「キャリアの方向性を見直したい」「新しい環境で挑戦したい」など、 “将来に向けた選択”として伝えると、角が立ちにくくなります。
会社への不満は正直に話すべきですか?
基本的には、退職面談で不満をぶつける必要はありません。 退職までの協力体制を作ることが最優先なので、関係を悪化させる話し方は避けた方が安全です。
どうしても伝える場合は、個人攻撃にならないように 「こういう仕組みだと困る人が出やすい」など“改善提案”として短く伝えるのがポイントです。
引き止められたら、どう返すのが正解ですか?
引き止めに対しては、その場で即答しないのが基本です。 「一度持ち帰って考えさせてください」と伝えて、感情的なやり取りを避けましょう。
退職の意思が固い場合は、「検討したうえでの結論なので意思は変わりません」と 冷静に繰り返すと、話がこじれにくくなります。
「無責任だ」と思われないために、面談で伝えるべきことは?
最も効果的なのは「退職日まで責任を持って進める姿勢」を具体的に示すことです。 たとえば、引き継ぎの進捗・残タスク・共有先・資料の有無を整理して伝えるだけで印象は大きく変わります。
退職自体は悪ではありません。 最後まで誠実に進める姿勢が、円満退職と退職後の良好な関係につながります。
退職面談で「転職先」や「次の会社名」を聞かれたら答える必要はありますか?
必ず答える必要はありません。言いづらい場合は、 「現時点では控えさせてください」「決まり次第、必要があればお伝えします」と やんわり返せば問題ありません。
必要以上に情報を出すと、引き止めや詮索につながることもあるため、 事前に“話せる範囲”を決めておくと安心です。
退職面談を円満に終えるための心構えを、5つにまとめると?
心構えは「感情的にならない」「結論から話す」「前向きな理由でまとめる」「引き継ぎへの協力姿勢を示す」「感謝を伝える」の5つです。
退職面談は“最後の印象”を決める場でもあります。 この5つを押さえるだけで、退職までの協力体制が作りやすくなり、気持ちよく次へ進めます。
適職診断を受けてみる