高卒の年収中央値はいくら?年代別の目安と平均年収・大卒との差を解説

【年代別】高卒の年収中央値と年収を上げるポイントを解説

年収は、自分のスキルや市場価値を測るうえでの目安になります。「自分の年収は同年代と比べて高いのか、それとも低いのか」。高卒で働く人なら、一度は気になるところでしょう。

ただ、高卒者の年代別「年収中央値」は、公的統計に存在しません。手がかりになるのは、日本全体の年収中央値と、高卒者の年代別の平均賃金です。

この記事では、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」と国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」をもとに、20代から40代までの賃金水準を整理しました。大卒との差が生まれる理由や、20代の高卒者が収入を上げるための選択肢もあわせて解説します。

目次

年収中央値とは?

自分の年収が世の中の水準とどれだけ離れているかを知るには、平均値よりも中央値が役立ちます。まずは中央値がどんな数字なのか、平均値との違いから押さえておきましょう。

(1)年収データの中央に位置する数値のこと

年収の中央値とは、全員の年収を小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中に来る年収のことです。たとえば高卒30代男性3名の年収が300万円・400万円・500万円なら、中央値は400万円になります。

平均値は、全員の年収を合計して人数で割った数字です。中央値はこれとは違い、極端に高い年収や低い年収の影響を受けにくいという特徴があります。そのため、集団の年収を代表する指標として使われます。

(2)年収中央値は職業や年代ごとにも計算できる

中央値は、区分さえ決めればどんな集団でも計算できる数字です。学歴だけでなく、職業や職種、年代ごとにも求められます。

一部の高所得者に引き上げられにくいぶん、実態に近い分布がつかめる点もメリットでしょう。自分の年収がどのあたりに位置するのかを知れば、この先のキャリアや職業選択を考える材料になります。

ただし、注意点があります。学歴別・年代別の年収中央値を公表している公的統計は、現時点で存在しません。

国税庁の民間給与実態統計調査が公表しているのは、年齢階層別の「平均給与」と、全体の「給与階級別分布」です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査には学歴別・年齢階級別のデータがありますが、こちらは月々の所定内給与額であって年収ではありません。

以下で代わりの手がかりになる情報を示します。

日本全体の年収中央値(令和6年分・給与階級別分布から算出)

区分 年収中央値
全体 約412万円
男性 約507万円
女性 約297万円

学歴も年代も問わない、1年を通じて勤務した給与所得者5,137万人の真ん中です。まずはこの数字を基準に置いてください。

高卒の平均年収を年代別に見る

以下は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の学歴別・年齢階級別の所定内給与額を12倍して算出した年収の目安です。比較のため、大学卒の数字も並べました。賞与は含まれていないので、実際の年収はこれより多くなる点にご留意ください。

(1)高卒20代の平均年収

年齢・性別 高卒の月収 高卒の年収 大卒の年収
20〜24歳の男性 約23.1万円 約277万円 約321万円
20〜24歳の女性 約21.5万円 約258万円 約313万円
25〜29歳の男性 約26.2万円 約315万円 約366万円
25〜29歳の女性 約23.0万円 約276万円 約344万円

20代前半の男性で見ると、高卒と大卒の差は約44万円です。大卒は入社が4年遅いぶん、この年代ではまだ差が開ききっていません。いずれも、日本全体の中央値412万円を下回ります。20代のうちは学歴を問わず、全体の真ん中には届かない水準です。

(2)高卒30代の平均年収

年齢・性別 高卒の月収 高卒の年収 大卒の年収
30〜34歳の男性 約29.3万円 約352万円 約431万円
30〜34歳の女性 約23.6万円 約283万円 約374万円
35〜39歳の男性 約31.6万円 約379万円 約487万円
35〜39歳の女性 約24.9万円 約298万円 約399万円

30代は勤続年数を重ね、役職などの責任あるポジションを任され始める年代です。高卒男性の年収も、20代前半から100万円以上伸びています。ところが同じ期間に、大卒との差も広がりました。20代前半で44万円だった男性の差は、35〜39歳で108万円です。伸び幅そのものに開きがあることが読み取れます。

(3)高卒40代の平均年収

年齢・性別 高卒の月収 高卒の年収 大卒の年収
40〜44歳の男性 約33.6万円 約404万円 約543万円
40〜44歳の女性 約24.7万円 約296万円 約436万円
45〜49歳の男性 約35.4万円 約425万円 約590万円
45〜49歳の女性 約25.4万円 約305万円 約449万円

45〜49歳男性の差は約165万円。20代前半のおよそ4倍に達しています。女性は男女間の賃金差の影響もあり、高卒・大卒とも男性より低い水準です。高卒女性は40代を通じてほぼ横ばいで、賃金カーブがほとんど上を向いていません。

高卒と大卒の年収差が生じる主な要因

令和7年の調査では、一般労働者の平均所定内給与額は高卒29.7万円、大卒39.6万円でした。月額で約10万円の開きです。ただし、この差は学歴だけで決まるものではありません。次の3つが重なって表れています。

  • 初任給と昇給カーブの違い
  • 応募できる職種・役職登用の条件
  • 勤続年数・企業規模・業界の構成

年収を上げたいなら、変えられない学歴よりも、職種・スキル・勤務先といった選び直せる条件に目を向けましょう。

初任給と昇給カーブの違い

高卒と大卒では、入社時の年齢も初任給も違います。その後に任される仕事の内容も、企業によって分かれるでしょう。

先ほどの表で、高卒男性の年収は20〜24歳の約277万円から45〜49歳の約425万円へ、25年でおよそ148万円伸びていました。同じ期間の大卒男性は、約321万円から約590万円へ約269万円の伸びです。出発点よりも、傾きの差が効いています。

自分の勤め先がどちらに近いかは、基本給だけでは判断できません。過去の昇給額や役職手当の水準まで確認してください。

応募できる職種・役職登用の条件の違い

企業によっては、総合職や専門職の応募条件、管理職への登用基準に「大卒以上」を設けています。応募できる求人の幅が狭ければ、賃金水準の高い職種へ移る機会もかぎられてしまうでしょう。

もっとも、すべての企業が学歴で採用や昇進を決めているわけではありません。営業実績、顧客対応、ITスキルなど、成果を確かめやすい職種では実務能力が評価の材料になります。

求人票を読むときは、「学歴不問」の表記だけで判断しないようにしてください。昇給例、評価項目、管理職の登用実績まで質問してみましょう。入社後の評価基準がはっきりしている企業ほど、次に伸ばすべき能力も見えてきます。

勤続年数・企業規模・業界の構成の違い

統計上の学歴差には、勤続年数や企業規模、働く業界の違いも含まれています。高卒者と大卒者が同じ割合で同じ職種、同じ規模の企業に勤めているわけではありません。集団の平均だけで個人の将来を決めつけるのは早計です。

実際、同じ令和7年の調査では、大企業と小企業で平均賃金に約80万円(月額)の開きがあります。製造、建設、運輸、情報通信と、業界ごとに賃金体系も必要な技能も異なります。年収差の理由を探るなら、学歴ではなく「職種×業界×企業規模×勤続年数」の組み合わせで見てください。

高卒から年収を上げる4つの方法

年収を上げる道は、すぐに転職することだけではありません。今の職場で昇給を狙う方法と、社外に選択肢を広げる方法を並べて比べてみましょう。

  • 評価基準を確認して昇進・昇給を目指す
  • 仕事に直結する資格やスキルを身につける
  • 経験を積める職種や成長業界へ移る
  • 待遇と仕事内容を比較して転職する

評価基準を確認して昇進・昇給を目指す

今の会社に昇給の余地があるなら、まず評価基準を具体的に確かめるところから始めましょう。売上、資格、担当範囲、後輩指導など、給与に反映される項目を上司とすり合わせてください。次回評価までの期限と目標値も決めておくと、日々の行動に落とし込めます。

たとえば「半年後までに担当件数を月20件から25件へ増やす」「資格取得後に月1万円の手当が付く」といった条件なら、何をすればよいかが明確になります。

反対に、評価制度が不明確で昇給の実績も確認できないなら、長く勤めるだけで年収が上がるとはかぎりません。その場合は、転職市場の条件を並行して調べておくのが賢明でしょう。

仕事に直結する資格やスキルを身につける

資格やスキルは、名前の知名度ではなく、今の仕事や希望する仕事でどう評価されるかで選びます。会社に資格手当の対象一覧があるなら、取得費用・学習時間・毎月の手当を並べて比べてください。

転職を見据えるなら、希望職種の求人を10〜20件チェックし、繰り返し登場する条件を書き出す方法が有効です。

経理なら簿記と実務経験、ITサポートならPC操作と問い合わせ対応というように、資格と業務経験の組み合わせがものを言います。取得後に任される仕事まで確認しておけば、「資格は取ったのに年収が変わらない」という結果も避けられるでしょう。

経験を積める職種や成長業界へ移る

仕事を選ぶ基準は、未経験でも入れるかどうかだけではありません。入社後にどんな仕事を任され、1〜3年後に何ができるようになるのかという点です。

ただし、成長中の業界だからといって教育体制が整っているとはかぎりません。研修の内容、独り立ちまでの期間、配属後の評価基準を面接で聞き、次の市場価値につながる環境かどうかを見極めましょう。

待遇と仕事内容を比較して転職する

転職で年収アップを狙うなら、求人票の「想定年収」だけを見るのは危険です。基本給、固定残業代、賞与の算定方法、各種手当に分けて比べれば、見かけの金額に惑わされずにすみます。月給が高くても、固定残業時間が長かったり賞与が業績次第だったりすれば、実際の受取額は想定と変わってくるからです。

また、仕事内容の確認も欠かせません。年収が上がっても、続けにくい勤務時間や苦手な業務が増えれば、早期離職のリスクが高まります。

現職の年収・休日・残業・通勤時間と、転職先の条件を同じ表に並べると判断しやすくなるはずです。提示条件は、内定を承諾する前に必ず書面で確かめてください。

20代の高卒者が学歴以外の強みで転職先を選ぶ方法

転職を視野に入れているのであれば、これまでの経験を棚卸しし、企業が評価しやすい言葉に置き換えてみましょう。

  • 実務経験・継続力・対人スキルを具体的な実績へ言い換える
  • 面談で希望年収と避けたい条件を整理する
  • 求人票では分からない社風や働き方との相性を確認する

年収だけで応募先を決めてしまうと、入社後に続かないおそれもあります。長く働けるかどうかまで含めて検討してください。

実務経験・継続力・対人スキルを具体的な実績へ言い換える

高卒後の仕事で身につけた力は、担当業務の事実と数字を添えると伝わります。「接客を頑張った」ではなく「1日平均40組を接客し、新人2人の研修も担当した」。こう言い換えるだけで、対応力と育成経験の両方を示せます。数字のない業務なら、頻度や担当範囲、工夫した手順で補えば十分です。

継続力も、勤続年数を挙げるだけでは伝わりません。忙しい時期に作業ミスを減らした方法、周囲と連携して納期を守った経験など、中身まで掘り下げてください。学歴以外の評価軸を持つサービスを探すなら、「高卒の方におすすめの転職エージェント9選」も参考になります。

面談で希望年収と避けたい条件を整理する

希望年収は、理由のない理想額ではなく、現在の収入と生活費、転職後に担える仕事から逆算します。

現在の年収が320万円なら、「なぜ380万円を希望するのか」「その条件と引き換えに何を任せられるのか」を言葉にしてみてください。休日、勤務地、残業時間など、年収以外に譲れない条件も3つ程度に絞っておくと迷いません。

一人では優先順位を決めにくい場合は、20代・未経験の転職支援を行うツナグバの面談で相談できます。求人を選ぶ前に経験・希望・避けたい条件を整理しておけば、給与だけを見て応募する失敗も減らせるはずです。

求人票では分からない社風や働き方との相性を確認する

求人票から読み取れるのは、条件の一部だけです。上司の指導方法、チームの雰囲気、評価面談の進め方までは分かりません。

入社後のミスマッチを防ぐには、面接やエージェントを通じて「どんな人が評価されるのか」「未経験者がつまずきやすい点はどこか」を質問しておきましょう。

具体的には、配属先の人数、中途入社者の割合、1日の業務の流れ、繁忙期の残業時間あたりを質問に用意しておくのがおすすめです。働き方が合えば経験も積みやすく、次の昇給につながります。年収と職場環境をあわせて確かめたい20代の方は、ツナグバの無料相談をご利用ください。

まとめ:高卒の年収は条件をそろえて確認しよう

高卒者の年代別「年収中央値」は、公的統計から直接は読み取れません。参考にするときは、日本全体の中央値(約412万円)と、高卒者の年代別の平均賃金を分けて見る必要があります。そのうえで性別、職種、企業規模、勤続年数など、自分と近い条件をそろえれば、比較の精度も上がるでしょう。

年収が中央値より低いからといって、すぐ転職すべきとはかぎりません。まずは今の会社の評価制度、資格手当、昇給実績を確認し、社外の求人条件と比べてみてください。

20代なら、実務経験や継続力を具体的な実績に言い換えるだけでも、学歴以外の強みは示せます。希望年収と働き方を一人で整理しにくいときは、ツナグバの無料相談を活用し、自分に合う選択肢から検討してみましょう。

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この記事の監修

海老名 信行

海老名 信行

取締役/COO
株式会社ツナグバ

大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
プロフィール紹介

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