経理職は企業の資金を管理し、経営を支える重要なポジションです。安定性が高く専門性も磨けることから、20代を中心に「未経験から経理へ転職したい」と考える人が増えています。とはいえ、実務経験や会計知識が求められる職種のため、どのようにキャリアを築けばよいか悩む方も多いでしょう。
この記事では、未経験から経理職を目指す際に知っておきたいポイントや、転職を有利に進めるための資格・キャリアパスを詳しく解説します。
自分に合ったステップで、経理への第一歩を踏み出しましょう。
未経験での経理への転職が難しい理由3選

経理職は、簿記や会計の知識など専門性が求められる職種です。
特に中途採用では、実務経験を重視される傾向が強く、未経験者にはハードルが高いのが現実です。
こちらでは、未経験から経理職への転職が難しいとされる理由を3つの観点から詳しく解説します。
経理分野の専門知識やスキルが必要だから
経理職は、企業の財務状況を正確に管理するために、会計・税務に関する専門知識が欠かせません。
仕訳や伝票処理、決算書の作成などの業務を正確に行うためには、簿記の知識や会計基準の理解が求められます。
Excelや会計ソフトを使ったデータ処理スキルも必要です。
こうした知識やスキルは、日常の業務を通して身につくことが多いため、未経験者がすぐに対応するのは難しいといえます。
そのため企業は、即戦力として活躍できる経験者を優先する傾向があります。
未経験から経理職を目指す場合は、日商簿記検定2級以上の取得や、会計ソフトの操作に慣れておくことが転職成功の鍵になります。
求人数が少ない
経理職は企業にとって欠かせない職種でありながら、従業員の入れ替わりが少ない傾向にあります。
多くの企業では少人数で経理部門を構成しており、一度採用すると長期的に勤務するケースが多いため、未経験者向けの求人自体が少なくなっています。
また、厚生労働省のデータでも、経理や会計分野は他職種と比べて有効求人倍率が低く、限られた採用枠を経験者が占めることが多いとされています。
そのため、未経験者が経理職に転職するには、応募できる求人を見つける段階から競争が激しくなるのが現状です。
未経験で経理を目指す場合は、派遣社員やアシスタント職から経験を積むルートも検討すると良いでしょう。
経理業務が幅広くなっているから
経理の仕事は、日々の仕訳や伝票処理だけでなく、月次・年次決算、税務申告、経費精算など多岐にわたります。
もともと業務量が多いうえに、月末や年度末には締め作業が集中し、繁忙期には正確さとスピードの両立が求められます。
それに加えて近年は、インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正に対応する業務が増え、より高度な知識と柔軟な対応力が必要とされています。
国際的な取引や海外拠点を持つ企業では、外国通貨の処理や国際会計基準への理解も求められるケースがあります。
会社規模によっては経理部の人数が少なく、1人で複数の業務を兼任することも多いため、未経験者が実務の場ですぐに対応するのは難しいといえるでしょう。
こうした背景から、経理職は専門性が高く、経験者が重宝される傾向が強い職種です。
経理の基本的な業務内容

経理の仕事は、会社のお金の流れを正確に管理する重要な役割を担っています。
業務は「日次」「月次」「年次」「期末」といったスケジュールごとに区分され、それぞれ作業内容が異なります。
経理が日々どのような業務を行っているのか、未経験者にもわかりやすく基本的な業務内容を紹介していきます。
日次業務
日次業務は、毎日の取引を正確に記録し、会社の資金状況を把握するための基礎となる業務です。
- 現金出納帳の管理
- 仕訳入力
- 請求書や領収書の処理
- 入出金の確認
などが具体的な業務として挙げられます。
こうした日次業務を正しく行うことで、ミスや不正を防ぎ、月次・年次決算時にスムーズな処理が可能になります。
また、銀行口座の残高確認や経費精算なども含まれ、スピードと正確性が求められます。
未経験者の場合は、まずこの日次業務から担当することが多く、経理全体の流れを理解する第一歩となります。
日々の数字を管理することで、企業の経営状況を支える重要なポジションといえるでしょう。
月次業務
月次業務では、1か月間の取引を集計し、会社の経営状況を把握するための資料を作成します。
主な業務には、
- 月次試算表の作成
- 売上や経費の集計
- 残高確認
- 未払金・未収金の処理
などがあります。これらのデータは経営者の意思決定に直結するため、正確性とスピードが求められます。
また、締め日後には残業が発生することも多く、スケジュール管理能力も重要です。
月次業務では、日次業務で記録した仕訳内容をもとに数字をまとめるため、日々の精度が後の作業効率に大きく影響します。
未経験から経理を目指す場合、月次業務を理解することで、会社全体の資金の流れを掴む力が身につくでしょう。
年次業務
年次業務は、1年間の経理データをまとめ、最終的な決算書を作成する重要な作業です。
具体的な業務に、
- 貸借対照表や損益計算書の作成
- 減価償却費の計上
- 棚卸資産の評価
- 税務申告書類の準備
などが含まれます。
年次業務で作成する資料は税務署への提出が必要なため、誤りがないよう慎重な確認が求められます。
また、監査対応や会計士とのやり取りが発生することもあり、高い専門性と正確な処理能力に基づいた綿密な作業が必要です。
未経験者にとっては難易度の高い分野ですが、年次業務を理解することで経理全体の流れを把握し、キャリアアップにもつながります。
期末業務
期末業務とは、四半期や決算期など、特定の期間の区切りに行う経理処理を指します。
主な内容は
- 売掛金・買掛金の残高確認
- 在庫や固定資産の評価
- 決算整理仕訳の実施
- 税金や社会保険料の計上など
です。
期末は経営成績を確定させる大切なタイミングであり、正確な数字が求められます。
特に上場企業やグループ会社では、連結決算対応や監査資料の作成など、より専門的な知識が必要です。
また、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応など、法令改正の影響を受けることも多いため、常に最新情報を把握する姿勢が求められます。
未経験からの経理転職に役立つ資格

経理職では、仕訳や会計処理、データ分析など専門的なスキルが求められます。
未経験から転職を目指す場合、基礎知識を証明できる資格を取得しておくことが大きなアピールポイントになります。
特に簿記資格は、実務の基礎である「お金の流れを理解する力」を身につけられるため、経理職を志す人に最も人気のある資格です。こちらでは、未経験から経理への転職に役立つ資格を紹介します。
日商簿記2級
経理職を目指すうえで最も有利とされる資格が「日商簿記2級」です。
日商簿記2級では、仕訳や財務諸表の作成、原価計算など、実際の経理業務で必要な知識を体系的に学べます。
特に企業の決算処理や経営分析に関する内容が含まれるため、実務に直結するスキルを身につけることができます。
日商簿記2級を取得しておくと、未経験でも「基本的な会計知識を理解している人材」として企業からの信頼を得やすくなります。
また、学習を通じて会計ソフトやExcelの操作に慣れることができる点も大きなメリットです。
経理職は数字を扱う精度が重視されるため、簿記2級を持っていることで、採用担当者に「実務への理解度が高い」と評価されやすくなります。
未経験から経理を目指すなら、まずは簿記2級の取得を目標にするのがおすすめです。
日商簿記1級
日商簿記1級は、経理・会計の中でも高度な専門知識を証明できる資格です。
- 商業簿記
- 会計学
- 工業簿記
- 原価計算
といった幅広い分野を網羅しており、財務諸表の作成だけでなく、経営分析や会計処理の改善提案など、管理職レベルの実務に対応できる力が身につきます。
日商簿記1級を取得すると、経理部門だけでなく、経営企画や財務、税務など上位職種へのキャリアアップも視野に入ります。
また、税理士や公認会計士といった国家資格へのステップアップにもつながる点が特徴です。
難易度は高いものの、経理職を長期的なキャリアとして考えるなら、日商簿記1級の取得は大きな武器になります。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は、WordやExcel、PowerPointなどの操作スキルを証明できる国際資格です。
経理業務では特にExcelを使用する場面が多く、関数を使った集計やデータ分析、帳票作成などを効率的に行うスキルが求められます。
MOSを取得しておくことで、オフィスソフトをつかった作業を正確かつスピーディにこなせる実務能力をアピールできます。
また、未経験者にとっては「実務に必要なパソコン操作を習得している」という信頼性の証明にもなり、採用時の評価が上がりやすくなります。
経理補助やアシスタント職などでは、MOSの資格が直接的に役立つ場面が多く、業務効率化にも直結します。
未経験から経理を目指すなら、簿記資格とあわせて取得を検討するのがおすすめです。
経理事務パスポート検定(PASS)
経理事務パスポート検定(PASS)は、経理・財務業務に必要な知識と実務スキルを総合的に評価する民間資格です。
日商簿記が「会計知識」を中心に学ぶのに対し、PASSは「実務での活かし方」に重点を置いている点が特徴です。
検定内容には、会計処理の流れや請求書・領収書の扱い、経費精算、税金・社会保険などの基礎知識が含まれ、経理実務をトータルで理解できます。
特に未経験から経理職を目指す人にとって、即戦力として評価されやすい資格の一つです。
合格者には「基本的な事務処理スキルと正確性を備えている」という客観的な証明となるため、企業の経理アシスタントやバックオフィス部門への転職時に有利に働きます。
FASS
FASS(Finance & Accounting Skill Standard)検定は、経済産業省の支援のもとで開発された、経理・財務業務に特化した実務スキルを測定する試験です。
簿記が理論中心であるのに対し、FASSは「現場でどれだけ実務を遂行できるか」を重視しています。
試験では
- 資産
- 決算
- 税務
- 資金
の4分野から出題され、経理職として求められる総合力を評価します。
企業の多くがFASSを人材育成やスキル評価に活用しており、実務能力の客観的な証明として高く評価されています。
未経験者がこの資格を取得しておくことで、「経理業務の全体像を理解している人材」としてアピールできるのが大きなメリットです。
経理職への転職を有利に進めたい人にとって、実践的かつ信頼性の高い資格といえるでしょう。
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20代・未経験から経理(正社員)への転職を目指すためのキャリアパス

20代・未経験から経理職(正社員)を目指す場合、いきなり経験者枠での採用を狙うよりも、まずは関連する実務経験を積むのが現実的です。
特に経理事務や派遣社員など、補助的なポジションで基礎を身につけることで、経理業務の全体像を理解できます。
未経験者が正社員の経理職へとキャリアアップしていくための、代表的な2つのキャリアパスを紹介します。
経理事務
経理事務は、未経験からでも挑戦しやすい経理職への第一歩です。
主な業務は、
- 仕訳入力
- 請求書・領収書の処理
- データ入力
- 経費精算
など、日常的な経理業務のサポートです。
実務を通して会計ソフトの操作や書類管理の流れを理解できるため、簿記の知識を実践で活かせる環境として最適です。
また、経理事務の経験を積むことで、月次決算や年次決算といったより専門的な業務にもステップアップしやすくなります。
企業によっては、正社員登用制度が整っているケースもあるため、長期的なキャリア形成にもつながります。
派遣や契約社員での経理部経験
未経験から経理を目指す場合、派遣や契約社員として経理部門で働くのも効果的な方法です。
まずは日商簿記などの資格を取得し、基本的な会計知識を身につけたうえで応募することで、採用のチャンスが広がります。
派遣や契約社員のポジションでは、大企業や上場企業など、規模の大きい職場で実務経験を積める機会が多い点が大きなメリットです。
経理部門の一員として日次処理や伝票整理、決算補助を経験することで、実践的なスキルが身につきます。
派遣や契約社員だとしても実務で得た経験は、正社員採用の際に「実務経験あり」として評価されるため、キャリアチェンジを有利に進める足がかりとなります。
未経験でも、段階的にスキルアップできるルートだといえるでしょう。
【まとめ】経理への転職は知識とスキルが重要!ひとつずつステップアップを目指そう
経理職は専門知識や正確な処理能力が求められるため、未経験からの転職は簡単ではありません。
しかし、簿記資格の取得や経理事務・派遣社員としての経験を積むことで、段階的にステップアップすることが可能です。
実務を通じてスキルを磨き、数字を扱う力や会計の知識を身につければ、20代でも正社員としての経理転職は十分に実現できます。
経理への転職に不安がある方や、自分に合ったキャリアプランを知りたい方は、ぜひツナグバにご相談ください。
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この記事を書いた人
竹本 甲輝(たけもとこうき)
株式会社ツナグバ 公式サイト
Work Experience: 飲料メーカー
Hobby: ゴルフ
MBTI: 論理学者-INTP-
Favorite: ホットドックとソフトクリーム
未経験でも不安を寄り添いながら解消し、あなたの希望や価値観を丁寧に汲み取るサポートが強みです!一緒に面接対策を重ね、内定後も手厚いフォローで、次のステップを安心して進めるお手伝いをします!
この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
プロフィール紹介
未経験から経理転職を目指す方のよくある質問
ここでは、「経理の仕事に興味はあるけれど、未経験から挑戦できるのか」という20代の方によく寄せられる疑問をまとめました。
必要なスキル・資格・キャリアステップを理解しながら、自分に合った方法で経理職を目指すためのヒントとしてご活用ください。
Q. 未経験でも経理職に転職することは可能ですか?
A. はい、未経験でも経理職への転職は可能です。
ただし、経理は専門知識が求められる職種のため、まずは簿記などの資格を取得し、経理事務や派遣社員として実務経験を積むのが現実的です。
徐々にスキルを身につけていけば、正社員へのステップアップも十分に目指せます。
Q. 経理に向いている人の特徴はありますか?
A. 経理に向いているのは、コツコツと正確に作業を進められる人や、数字に強く几帳面な人です。
また、期日管理や書類整理など細かなタスクをこなす力も必要です。
経営の根幹を支える仕事にやりがいを感じる方に向いています。
Q. 未経験から経理職を目指すために役立つ資格はありますか?
A. はい、日商簿記2級は特におすすめです。
会計の基本を体系的に学べるため、実務で役立つ知識が身につきます。
ほかにも、MOS(Excelスキル証明)やFASS(実務力評価)なども転職時のアピール材料になります。
Q. 経理職に転職するためのおすすめキャリアステップはありますか?
A. 未経験から始める場合は、経理事務や派遣社員として経理部での経験を積むのが近道です。
日次処理や経費精算などの基礎を経験しながら、少しずつ決算補助などの専門業務に関われるようになります。
実務経験を重ねれば、正社員としての採用も十分に可能です。
Q. 未経験から経理転職を成功させるコツはありますか?
A. ポイントは、資格取得と実務経験の両立を意識することです。
日商簿記で知識を証明しつつ、派遣・アルバイトなどで実務を経験することで即戦力として評価されやすくなります。
また、転職エージェントを活用すれば、未経験可の経理求人を効率よく探すことができます。
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