未経験からフルリモートは無理?正社員で目指す方法と求人の見極め方

この記事に書かれていること

未経験からフルリモートの正社員を目指すことは可能ですが、研修・相談体制や自己管理、情報管理、応募倍率の高さが壁になります。

応募前に、在宅勤務の開始時期、研修・質問・評価の仕組み、就業場所の変更範囲、雇用形態や費用負担を確認する方法を解説します。

出社・ハイブリッド勤務での実務経験、マニュアルが整った職種、ポートフォリオを通じて将来の在宅勤務を目指す道を紹介します。

働き方の多様化を受けて、フルリモートを希望する人が増えています。しかし、「未経験でフルリモートは無理」という書き込みや情報を見て、応募をためらう人も多いでしょう。

結論として、未経験からフルリモートの正社員を目指すことは不可能ではありません。ただし、「フルリモート」という表記だけで選ぶのではなく、入社後の研修体制や出社の条件、将来の働き方まで確認する必要があります。

この記事では、未経験だと難しいといわれる理由、応募前に確認する4つの項目、実務経験を積んでから在宅へ移る道を整理します。

目次

未経験からフルリモートは不可能ではない

フルリモートで働くイメージ

未経験可でフルリモートの正社員求人は、実際に募集されています。就職の道は開かれているといってよいでしょう。ただし、先輩社員に相談できる機会が限られるぶん、仕事の流れをつかむまでには時間がかかります。

厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、新入社員や中途採用の社員、異動直後の社員について、上司や同僚に聞きたいことが多く、不安が大きい場合があるとしています。そのうえで、テレワークを実施する際は、コミュニケーションの円滑化に特段の配慮をすることが望ましいと示しています。

裏を返せば、教わる仕組みや相談の場が用意されている会社であれば、未経験でも在宅勤務は成り立つでしょう。確認すべきは、疑問をその都度解消できる職場かどうか、つまり制度と風土です。

そのため、求人票と面接では、研修の進め方、出社の有無、雇用形態と費用の負担を確認しておきましょう。

未経験からフルリモートが難しいといわれる3つの理由

ノートパソコンを使って在宅で仕事をする様子

未経験からフルリモートが難しいといわれる理由は以下の3つです。

  • 業務を教わり、相談する機会を作りにくいから
  • 自分で業務を進める力と情報管理が求められるから
  • 未経験歓迎の完全在宅求人は応募が集中しやすいから

理由がわかれば、求人票のどこを見て、面接で何を聞けばよいかもはっきりするはずです。

業務を教わり、相談する機会を作りにくいから

フルリモートの場合、業務を教わったり、相談したりする機会が限られます。出社していれば、先輩にその場で質問できますが、在宅勤務では、チャットを打つか、オンライン会議の時間を取る必要があります。質問するまでの手間が増えるぶん、小さな疑問ほど後回しになりがちです。

また、未経験の時期は、そもそも何がわからないのかを言葉にしづらいでしょう。応募前には、質問の手段が決まっているか、教育担当が付くか、上司と1対1で話す時間が定期的にあるかを確認しておくようにしてください。

自分で業務を進める力と情報管理が求められるから

在宅勤務では、上司が働く様子を直接見られません。厚生労働省のガイドラインも、テレワークではオフィス以外の場所で働くため使用者が現認できず、労働時間の把握に工夫が必要だと説明しています。

労働者の自己申告で労働時間を把握する方法も示されており、始業や終業の時刻を自分で記録して報告する職場も少なくありません。

また、情報の扱いも自分の責任になります。顧客の個人情報が映った画面を家族に見られない環境を用意できるか。私物のパソコンを使ってよいか。資料を印刷してよいか。こうした判断が日々発生します。未経験のうちは社内の基準がまだ身についていないため、線引きに戸惑う場面もあるはずです。

未経験歓迎の完全在宅求人は応募が集中しやすいから

通勤がない求人は、住んでいる地域に関係なく応募できます。そのため、同じ求人に全国から応募が集まります。さらに、未経験歓迎枠であっても経験者が応募してくるため、未経験者が選考を突破するハードルは高くなるでしょう。

とはいえ、倍率は求人ごとに大きく異なるため、必要以上に身構えることはありません。ただし、完全在宅の求人は、応募の母数を増やす戦略と相性がよくありません。

数を打つよりも、業界分析や企業分析を徹底したうえで応募先を絞り、志望動機と在宅で働ける根拠を具体的に書くほうが、限られた時間を有効に使えます。

フルリモート求人に応募する前に確認しておきたい4項目

求人情報を比較して見極めるイメージ

求人票の見出しに「フルリモート」とあっても、条件は会社ごとに違います。応募する前には以下の4項目を確認しておきましょう。

  • 完全在宅が入社直後から適用されるか確認する
  • 研修・質問・評価の仕組みを確認する
  • 出社頻度・就業場所・転勤の条件を確認する
  • 雇用形態・給与・機材や通信費の負担を確認する

求人票でわからない部分は、面接で質問してかまいません。面接の段階で疑問を解消しておきましょう。

完全在宅が入社直後から適用されるか確認する

在宅勤務がいつから可能なのかを確認しておきましょう。試用期間中は出社し、業務を一人で回せるようになってから在宅へ移行という運用をしている会社も存在します。

面接では、入社直後の勤務形態、在宅勤務へ切り替わる時期の目安、切り替えの条件の3点を聞いておきましょう。労働条件の確認なので、聞いたことで印象が悪くなるという心配は不要です。あいまいな回答のまま入社すると、引っ越しや生活の予定が崩れてしまうので必ず確認してください。

研修・質問・評価の仕組みを確認する

未経験者にとって、研修と質問の仕組みも重要です。以下の点は必ず確認しておきましょう。

  • 研修の期間と方法
  • 教育担当が付くかどうか
  • 日常の質問をチャットと会議のどちらで受けるのか
  • 返答までにどのくらいかかるのか
  • どのように評価されるのか

在宅勤務では働く姿が見えないぶん、成果や提出物で評価する会社も少なくありません。何をもって評価されるのかがわかれば、入社後に何から覚えればよいかも見えます。

出社頻度・就業場所・転勤の条件を確認する

2024年4月から、労働契約を結ぶときと更新するときに、就業場所と従事すべき業務の「変更の範囲」を明示することが義務づけられました(労働基準法施行規則第5条)。労働者の募集や求人の申込みの際にも、明示する事項が追加されています。

つまり、求人票や労働条件通知書には、将来的にどこで働く可能性があるのかが書かれています。「当面は在宅で問題ありません」と口頭で説明されても、書面の変更の範囲に本社や支店が含まれていれば、後から出社の指示が出る場合があります。在宅勤務を続けたいなら、この欄と出社頻度の記載を必ず確認してください。

雇用形態・給与・機材や通信費の負担を確認する

雇用契約か業務委託かで、最低賃金や労災の適用が変わります。契約書では、雇用形態と給与に加え、通信費・電気代・消耗品などの負担者も確認しましょう。

通信費や電気代については、国税庁のFAQが在宅勤務日数などから業務使用分を合理的に計算する方法を示しています。実費を精算する形であれば、給与として課税されません。

なお、働き始める前に機材費や登録料の支払いを求める求人には注意が必要です。契約内容をよく確かめてから応募してください。

未経験から完全在宅を目指すときの4つの壁

  1. 仕事の進め方を直接教えにくい:教育や質問対応をオンラインだけで行う必要があります。
  2. 自律的な業務管理が求められる:進捗や勤務状況が見えにくいため、自己管理力が重視されます。
  3. 経験者と競合しやすい:勤務地を問わない求人には、全国から応募が集まることがあります。
  4. 完全在宅でできる業務が限られる:現場対応や対面業務が必要な職種には向きません。

未経験からフルリモートを目指す3つのキャリアパス

段階的にキャリアを積み上げるイメージ

いきなり完全在宅の求人だけを狙うと、応募できる求人が少なくなり、転職活動が長引きがちです。実務経験を積んでから在宅へ移る道も含めて考えると、選択肢は広がります。ここでは、現実的な3つの進み方を紹介します。

未経験から完全在宅を目指す3ステップ

STEP1|未経験から経験を積める仕事に就く

出社型やハイブリッド勤務も含め、希望職種の実務経験を積みます。

STEP2|オンラインでも成果を示せるスキルを身につける

業務ツールの操作、文章での報告、進捗管理など、在宅勤務で必要な力を伸ばします。

STEP3|在宅制度のある会社や経験者向け求人を探す

実務経験と実績を整理し、完全在宅または在宅比率の高い求人へ応募します。

出社またはハイブリッド勤務で実務経験を積む

最初の1年から2年は出社中心で仕事の型を覚え、そのうえで在宅勤務へ移る進み方です。わからないことをその場で聞ける環境は、「質問したいのにできない」というストレスを軽減してくれるでしょう。

また、同じ会社の中に在宅勤務の制度があるなら、転職を重ねるより社内で移るほうが早いかもしれません。例えば、「勤続1年以上」「担当業務を一人で進められること」といった条件が設けられている会社もあります。入社時に、在宅勤務制度の有無と利用条件を確認しておきましょう。

研修とマニュアルが整った職種から経験を積む

事務、カスタマーサポート、システムのテストや検証などは、業務の流れがマニュアル化されている場合が多く、未経験からでも手順を覚えながら進められるでしょう。

反対に、その場の判断や対面のやり取りが多い仕事は、在宅に切り替えにくい傾向があります。求人を見るときは、業務内容の説明が具体的かどうかも見ておきましょう。担当する範囲が細かく書かれている求人は、入社後の手順も整理されている可能性が高いです。

ポートフォリオで仕事の進め方を示す

在宅で人を採用する側がいちばん心配するのは、目の届かない場所でも自走して仕事を進められるかどうかです。そのため学習の記録や成果物は、スキルの証明であると同時に、あなたの仕事の進め方を伝える材料になります。

具体的には、学習を始めた時期、1週間あたりの学習時間、提出した課題の数といった数字を書き出しておきましょう。加えて、制作物ごとに「何を目的に、どう進め、どこでつまずき、どう解決したか」まで言語化しておくと、報告や相談ができる人だという印象につながります。

副業で小さな案件を受け、依頼から納品までを一通り経験しておくのも有効です。オンラインだけでやり取りを完結できるという実績になります。

在宅で働きたい理由を整理し、無理のない働き方を選ぶ

フルリモートを希望する理由は、人によって異なります。理由を分けて言葉にすると、完全在宅以外にも解決策が見つかる場合があります。転職の軸を決める前に、自分が何を避けたいのかを整理しておきましょう。

通勤・生活・体調・仕事内容のうち譲れない条件を言語化する

在宅で働きたい理由を、通勤、生活、体調、仕事内容の4つに分けて書き出してみてください。満員電車での通勤がつらいのか、家族の送り迎えで時間の融通が必要なのか、通院を続けたいのか。理由がどれに当たるかによって、必要な条件は変わります。

理由が通勤時間にあるなら、勤務地が近い求人や時差出勤の制度でも解決する場合があります。通院が理由なら、中抜けができる制度やフレックスタイム制のほうが合うかもしれません。譲れない条件を1つか2つに絞ると、応募できる求人の幅が広がります。

ツナグバの面談で希望を職種と働き方の軸に翻訳する

「在宅で働きたい」という希望は、そのままでは求人を選ぶ基準になりません。どの職種で、どの働き方なら続けられるのかという形に置き換える必要があります。

ツナグバでは、20代・未経験の転職支援で1人あたり平均10回の面談を行い、在宅を希望する背景を一つずつ聞き取ります。通勤の負担が理由なのか、人との関わり方が理由なのかによって、提案する職種も働き方も別のものになるでしょう。希望を選択の軸に翻訳できると、求人票のどこを見るかがはっきりします。

将来の在宅勤務につながる求人と職場環境を確認する

今は出社が中心でも、在宅勤務の制度がある会社を選んでおけば、経験を積んだ後の選択肢が残ります。就業規則に在宅勤務の規定があるか、対象になる職種や条件はどうなっているかを確認しましょう。

あわせて、制度の利用実績も聞いておきたいところです。規定はあっても実際に使う人がいない職場では、希望を出しにくくなります。「部署で何人くらいが利用しているか」「どのくらいの頻度で在宅にしているか」を面接で確認すると、制度が動いているかどうかがわかります。

未経験からフルリモートを目指すなら、条件確認と実務経験を両立しよう

未経験からフルリモートの正社員を目指すことは不可能ではありませんが、求人の数は限られ、応募も集まりやすい状況です。「完全在宅」という表記だけで選ばず、在宅が適用される時期、研修と質問の仕組み、就業場所の変更の範囲、費用の負担を確認してから応募しましょう。実務経験を積んでから在宅へ移る道も、遠回りではなく現実的な選択肢です。

まず動くなら、気になっている求人票を開き、就業場所の変更の範囲と研修の記載を読み直すところから始めてみてください。書かれていない項目をメモしておけば、そのまま面接で聞く質問になります。

フルリモートにこだわる前に、続けられる働き方を整理しませんか

在宅で働きたい理由や譲れない条件を整理すると、自分に合う職種や将来のキャリアパスが見えやすくなります。ツナグバでは、希望の背景を聞きながら、無理なく続けられる働き方を一緒に考えます。

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この記事の監修

海老名 信行

海老名 信行

取締役/COO
株式会社ツナグバ

大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
プロフィール紹介

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