監修:ツナグバ キャリアアドバイザー タクシー転職支援実績多数。タクシー会社との商談・求職者支援を通じて業界の定着率データを日々収集。
「タクシードライバーってすぐ辞める人が多そう」 「長く続けられる仕事なのか不安」
タクシー転職を検討している方から、こうした声をよくいただきます。
結論から言うと、タクシー業界の離職率は一般的なイメージより低く、しかも年々改善しています。 ツナグバがタクシー会社との商談を通じて把握している現場の実態では、退職率が10%を下回る会社が増えてきており、長く働き続けるドライバーが確実に増えています。
この記事では、データと現場の両面からタクシー業界の離職率の実態を解説します。転職後に後悔しないための「定着率の高い会社の選び方」もあわせてお伝えします。
タクシードライバーの離職率、実際のデータを確認する
新卒採用の離職率は約10%。他業種の3分の1以下
東京ハイヤー・タクシー協会が発行する「Taxi of Tokyo 2020」によると、新卒タクシードライバーの離職率は約10% です。これを他業種と比較すると、その低さが際立ちます。
| 業種・区分 | 離職率(3年以内) |
|---|---|
| 飲食・宿泊サービス業 | 約33% |
| 産業全体の平均 | 約30% |
| 新規大卒就職者の平均 | 約11.6% |
| 新規高卒就職者の平均 | 約16.9% |
| タクシー業界(新卒) | 約10% |
出典:
- 東京ハイヤー・タクシー協会「Taxi of Tokyo 2020」
- 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
- 厚生労働省「雇用動向調査(2019年版)」
産業全体の平均が約30%であることを踏まえると、タクシー業界の離職率は他業種の3分の1以下という数字です。
なぜ「離職率が高い」というイメージが広まったのか
データを見ると離職率は低いにもかかわらず、「タクシーはすぐ辞める人が多い」というイメージが根強いのはなぜでしょうか。
理由は主に2つあります。
1. 中途採用が主流で入れ替わりが見えやすい
タクシー業界は新卒採用よりも中途採用が圧倒的に多い業界です。中途採用は職場への「合う・合わない」の判断が早く、短期間での退職が発生しやすい側面があります。新卒採用の離職率10%という数字はこの中途採用者を含んでいません。
2. 高齢入社による定年退職・健康退職が離職としてカウントされる
タクシー業界は50〜60代での入社も多く、健康上の理由や定年による退職が一定数発生します。これらは「辞めた」という統計に含まれますが、転職失敗とは性質が異なります。
つまり「早期に見切りをつけて辞める人の割合」という意味での離職率は、データが示すとおり他業種より低いのです。
現場の実態:退職率10%未満の会社が増えている
ここからは、ツナグバのCA担当が日々のタクシー会社との商談を通じて把握している現場の最新情報をお伝えします。
「退職率10%未満」の会社が年々増加している
ツナグバが商談を行っているタクシー会社の中では、退職率が10%を下回る先が増えてきており、なかには定着率90%以上を誇る会社も存在します。
背景には、タクシー業界全体での働き方改善の取り組みがあります。
- 配車アプリ(GO・S.RIDE等)の普及により、流し営業の体力的な負担が軽減
- 最低保証給の導入・拡充により、入社直後の収入不安が解消されやすくなった
- 研修制度の充実により、未経験者が戦力化するまでの期間が短縮
- 入社後のフォロー体制(メンター制度・定期面談等)の整備が進んでいる
定着率の高い会社と低い会社では何が違うのか
同じタクシー業界でも、会社によって定着率には大きな差があります。ツナグバのCA担当が商談で確認している定着率の高い会社の共通点は以下の通りです。
共通点1:入社後3ヶ月のサポートが手厚い
定着率が高い会社ほど、入社後の最初の3ヶ月(稼ぎが安定しない時期)のフォローが充実しています。最低保証給の設定・指導ドライバーによる同乗研修・定期的な個別面談などが整っています。
共通点2:配車アプリを複数導入している
GOをはじめとした配車アプリを2〜3社導入している会社は、ドライバーの稼ぎを安定させやすい環境があります。「アプリ経由の売上が全体の40〜50%を占める」という会社も増えており、流し営業に依存しない分、収入が安定しやすいです。
共通点3:「想定年収」と「実際の年収」の乖離が少ない
定着率が低い会社の多くは、求人票や面接で提示した収入と実際の収入に乖離があります。定着率の高い会社は、入社前に収入のリアルな見通しを丁寧に説明し、ギャップを最小化しています。
タクシーを辞める人の本当の理由
定着率の高い会社が増えている一方で、入社後に辞めてしまうケースも存在します。CA担当が把握している「辞める理由」の実態を正直にお伝えします。
よくある退職理由トップ3
1位:歩合制の収入変動への慣れが追いつかなかった
歩合制のため、最初の2〜3ヶ月は収入が安定しにくい時期があります。「月によって手取りが10万円以上変動する」という状況に心理的に対応できず、辞めてしまうケースが最も多いです。
対策: 最低保証給が設定されている会社を選ぶ・ある程度の生活費の余裕を持って転職する・半年を目標にして継続する意識を持つ。
2位:勤務リズムの変化に適応できなかった
隔日勤務(約21時間勤務→翌日明け)という独特のサイクルに身体が慣れるまでに個人差があります。「生活リズムが合わなかった」というケースも一定数あります。
対策: 入社前に勤務形態の体験談を聞く・昼勤や夜勤など別の勤務形態も選べる会社を選ぶ。
3位:想定と異なるエリアに配属された
「東京都心で働きたかったのに、配属エリアが希望と異なった」というケースです。エリアによって売上・年収が大きく変わるため、入社前に必ず確認すべきポイントです。
対策: 面接時に「配属エリアの希望は通りますか?」と明確に確認する。
辞めない人の共通点
一方、長く続けているドライバーには共通した特徴があります。
- 最初の3ヶ月を乗り越えたこと(「3ヶ月続けば10年いる」という声も多い)
- 配車アプリを積極的に活用して稼ぎを安定させていること
- 自分に合った勤務形態(昼勤・夜勤・隔日)を見つけていること
- 目標収入を明確に持ち、歩合で逆算して動いていること
定着率の高い会社の選び方【CA担当が伝えるチェックポイント】
転職後に長く続けられるかどうかは、会社選びで8割が決まるとCA担当として実感しています。以下のポイントを入社前に必ず確認してください。
チェックポイント①:入社後の最低保証給はいつまで・いくらか
最低保証給の期間と金額は会社によって大きく異なります。「入社後6ヶ月は月25万円保証」のような会社は、慣れるまでの期間を安心して乗り越えられます。
チェックポイント②:導入している配車アプリの数と売上割合
「どのアプリを使っていますか?」「アプリ経由の売上は全体の何%くらいですか?」と面接で確認しましょう。複数アプリ導入・アプリ売上比率が高い会社ほど、待ち時間が少なく稼ぎやすい傾向があります。
チェックポイント③:在籍ドライバーの平均勤続年数
「平均勤続年数は何年ですか?」という質問は、定着率を測る最もシンプルな指標です。10年以上のベテランドライバーが多い会社は、働きやすい環境が整っている可能性が高いです。
チェックポイント④:研修期間中の同乗指導体制
未経験からの転職で最初に不安になるのが「一人でちゃんと動けるのか」という点です。研修期間中に指導ドライバーが同乗してくれる体制があるか、研修期間はどれくらいかを確認しましょう。
チェックポイント⑤:エリアの希望は通るか
前述の通り、配属エリアで年収が変わります。「希望エリアへの配属は可能か」「難しい場合はどのようなプロセスで決まるか」を事前に確認することが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q:タクシーに転職して3ヶ月以内に辞める人はどれくらいいますか?
A:会社によって大きく異なります。定着率の高い会社では3ヶ月以内の早期退職はほとんど発生しておらず、ツナグバが把握している会社では「入社後3ヶ月以内の退職がほぼない」という先も存在します。一方で研修体制が不十分な会社では早期退職が発生しやすいため、会社選びが重要です。
Q:タクシーは「合う人・合わない人」がはっきり分かれますか?
A:CA担当の実感としては、「接客・コミュニケーションへの抵抗感」と「収入の変動への耐性」の2点が大きな分かれ目です。どちらも「まったくない」という方は苦労しやすいですが、「多少苦手でも仕事として割り切れる」という方は多くの場合うまくいっています。ご自身の状況についてはCA担当に相談していただくと、より具体的にお伝えできます。
Q:女性でも長く続けられますか?
A:はい。近年、女性ドライバーの定着率が高い傾向があります。昼勤を選んで深夜帯を避けたり、配車アプリを活用して効率よく稼いだりするスタイルが女性ドライバーに合いやすく、長期就業者が増えています。
Q:転職前に定着率を確認する方法はありますか?
A:求人票には定着率の記載がないことがほとんどです。面接で直接「平均勤続年数」や「直近の退職者数」を聞くか、ツナグバのようなエージェントに相談いただければ、CA担当が把握している各社の実態をお伝えできます。
Q:入社後に「合わない」と感じたらどうすればいいですか?
A:ツナグバでは入社後もCA担当がフォローします。入社後に感じた違和感や不安はいつでも相談いただけますので、ひとりで抱え込まずにご連絡ください。
まとめ
- タクシー業界の新卒離職率は約10%で、産業平均(約30%)の3分の1以下
- 「離職率が高い」というイメージは、高齢入社による定年・健康退職や中途採用の多さが影響している
- ツナグバのCA担当が把握する現場では、退職率10%未満の会社が増えている
- 辞める理由の多くは「歩合制の収入変動への慣れ」「勤務リズムの適応」「会社選びのミスマッチ」の3つ
- 最低保証給・複数アプリ導入・研修体制・平均勤続年数を確認して会社を選ぶことで、定着率は大きく変わる
転職で失敗しないためには、求人票だけでは分からない「会社の実態」を把握することが重要です。ツナグバのCA担当が各社の定着率・働きやすさの実情を無料でお伝えします。
参考資料・出典
- 東京ハイヤー・タクシー協会「Taxi of Tokyo 2020(東京のタクシー2020)」
- 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」
- 厚生労働省「雇用動向調査(2019年版)」
- 全国ハイヤー・タクシー連合会「令和6年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」
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