転職活動を始めようとして、まず「何社くらい応募するものなのか」で手が止まる方は多いと思います。少なすぎて決まらないのも困りますし、かといって手当たり次第に出して選考が重なるのも避けたいところでしょう。
実は、応募数に一律の正解はありません。志望する業界がどこまで絞れているか、いつまでに転職したいか、1社ごとの準備にどれだけ時間を使えるかによって、ちょうどよい数は変わるためです。
転職支援サービスのdodaが公表した調査では、20代で転職を成功させた人の平均応募社数は27.9社でした。ただ、この数字は目標ではなく、あくまで結果です。
この記事では、応募数に正解がない理由から、複数社へ応募する意味、自分に合う数の決め方、そして選考を並行して進めるコツまでを整理します。
第二新卒の転職で何社受けるかに正解はない理由
「何社受けるべきか」を調べても答えが定まらないのは、応募数が目的ではなく、希望条件と使える時間から逆算して決まる数字だからです。同じ第二新卒でも、志望先が定まっている人と、これから職種を探す人とでは、必要な応募数が変わります。
ここでは、条件や時期によって変わる理由と、未経験の職種に挑戦する場合に幅が必要になる理由を確認しましょう。
| 今の状況 | 応募数の考え方 | 進め方 |
|---|---|---|
| 業界・職種が明確 | 数を追いすぎない | 条件に合う求人が出たら応募し、1社ごとの対策を厚くする |
| 職種を迷っている | 複数職種を数社ずつ比較 | 選考を受けながら仕事内容・相性を判断する |
| 未経験職種へ挑戦 | 比較の幅を広めにする | 同職種の求人を3社以上並べて仕事内容・研修を比較する |
| 転職期限が近い | 並行する社数を増やす | まず3〜5社程度を同時進行し、状況を見て追加する |
応募数は希望条件と転職時期で変わるから
応募すべき数は、希望条件の細かさと、転職したい時期の2つで決まります。条件を細かく設定するほど当てはまる求人は減り、期限が近いほど同時に進める社数を増やす必要があるためです。
たとえば「勤務地は自宅から1時間以内、業界はメーカー、職種は法人営業」と3つの条件を重ねると、対象になる求人はかなり絞られます。この場合、無理に数を増やそうとすると条件から外れた求人まで応募することになり、選考が進んでから迷いが生まれかねません。
一方、半年以内に転職したいなら、書類選考から内定までに1社あたり1か月前後かかる前提で、同時に3〜5社を動かせる状態を保っておくと予定が立てやすくなります。まずは希望条件を書き出し、求人サイトで検索して該当件数を確かめてみてください。母数が分かれば、応募できる数はおのずと見えてくるでしょう。
未経験職種に挑戦する場合は比較の幅が必要になるから
未経験の職種を目指すなら、経験のある職種に応募するときより、比較の幅を広めにとるほうがよいでしょう。これは、求人票の文言だけでは、実際の仕事内容や育成体制の違いが読み取りにくいことに起因します。
同じ「営業職・未経験歓迎」でも、新規開拓が中心の会社と、既存顧客のフォローが中心の会社では、日々の働き方がまったく違います。研修が3か月ある会社と配属初日から現場に出る会社でも、求人票の見た目に大きな差はありません。1社だけを見て決めると、この違いに気づかないまま入社し、また同じ理由で辞めたくなる可能性が残ります。
そのため未経験の職種に応募するときは、同じ職種の求人を3社以上並べ、仕事内容と研修体制の記述を読み比べてください。見比べてはじめて、求人票のどこを見ればよいのかがつかめるでしょう。
第二新卒が複数社へ応募するメリット
応募先を1社に絞ると、準備に時間をかけられる代わりに、選考結果に活動全体が左右されます。複数社へ応募する意味は、内定の確率を上げるだけではありません。
ここでは、可能性を広げる面、比較できる面、そして選考そのものが練習になる面の3つを確認しましょう。
選考通過・内定獲得の可能性を高められる
複数社に応募すると、内定にたどり着く可能性を高められます。
dodaの調査によると、同社を利用して転職した人のうち94.9%が2社以上に応募しており、66.4%は11社以上に応募していました(doda)。応募した人の大半が複数社を受けているという事実は、転職活動におけるリスクヘッジとして効果的であることを示しています。
ただし、数を増やすほど1社あたりの準備は薄くなりかねません。まずは3〜5社を同時に進める形から始め、選考の進み具合を見ながら追加してください。
複数の企業を比較して自分に合う職場を選べる
複数社を受ける2つ目の意味は、比べる材料が手に入る点にあります。1社しか受けていないと、提示された条件が世の中の標準なのか、それとも良い(あるいは悪い)条件なのかを判断できません。
比べたいのは、給与、休日数、残業の見込み、研修の内容、配属先の決まり方です。これらは、同じ業界の求人を3社並べることで判断できます。
面接で聞いた雰囲気も同じで、比較対象があれば「この会社は質問に具体的に答えてくれた」といった違いにも気づけるでしょう。
選考経験を積むことで面接や自己PRの精度を高められる
3つ目のメリットは、選考を受けること自体が準備になる点です。面接で実際に聞かれる質問は、想定問答集に載っている内容と少しずつずれており、答えに詰まった箇所が改善点になります。
第二新卒の面接では、退職理由をきっかけに「なぜそう感じたのか」「どう行動したのか」と掘り下げられる場面も少なくありません。この掘り下げにどこまで答えられるのかは、実際に面接を受けてみてはじめて分かります。
1社目で答えに詰まった質問を書き留め、次の面接までに整理しておけば、同じ質問には落ち着いて答えられるでしょう。
面接が終わったら、その日のうちに聞かれた質問を書き出してください。3社ほど受けると、質問の共通点と自分の弱い部分が見えてきます。
面接は受けるたびに改善する
実際に聞かれた質問と詰まった部分を確認
質問・回答・答えにくかった部分を書き出す
退職理由・自己PR・志望動機をより具体的にする
修正した内容で受け答えし、さらに改善する
第二新卒の転職で応募数を決める3つの基準
応募数は、平均値に合わせるのではなく、次の3つの基準から決めましょう。志望先がどこまで絞れているか、いつまでに転職したいか、1社ごとの準備にどれだけ時間を使えるかの3点です。この3つを順に確認すれば、自分にとって無理のない数が見えます。
応募数は3つの基準から決める
業界・職種が決まっているほど、数を無理に増やす必要はない
期限が近いほど、複数社を並行して進める
企業研究・志望動機・面接対策に使える時間から逆算する
| 志望先の絞り込み具合 | 応募数の考え方 |
|---|---|
| 業界も職種も1つに決まっている | 求人の母数が少ないため、条件に合う求人が出るたびに応募する |
| 業界は決まっているが職種は迷っている | 職種ごとに数社ずつ応募し、選考の中で比べる |
| 未経験の職種に挑戦する | 求人票だけでは違いが読み取りにくいため、比較の幅を広めにとる |
志望業界・職種がどこまで絞れているか
最初の基準は、志望する業界と職種がどこまで絞れているかです。絞り込みが進んでいるほど対象の求人は減り、必要な応募数も少なくなります。
業界も職種も決まっている場合、条件に合う求人がそもそも多くありません。この状態で数を追うと、条件から外れた求人にまで応募することになり、選考が進んでから迷いが生まれます。
一方、職種が定まっていない段階では、応募して選考を受けること自体が絞り込みの作業です。営業と事務のどちらが向いているか分からないなら、両方を数社ずつ受けて、面接で聞いた仕事内容から判断してもかまいません。
いまの自分がどちらの段階にいるかを、上の表で確かめてみてください。段階が違えば、適切な応募数も変わります。
いつまでに転職したいか
2つ目の基準は、転職したい時期です。期限が決まっているほど、同時に進める社数を増やす必要があります。
転職活動は、書類選考に1〜2週間、面接が2〜3回、内定後の調整まで含めると、1社あたり1か月前後かかる場合が少なくありません。3か月後に入社したいなら、逆算して最初の1か月で複数社に応募し、並行して選考を進める形になります。在職中で、退職の申し出から退職日までに1か月以上かかるなら、その期間も見込んでおきましょう。
希望する入社日をカレンダーに書き込み、そこから3か月ほどさかのぼった日を「応募を始める日」として決めてください。期限から逆算すると、必要な社数は自然に決まります。
1社ごとの選考準備に時間を使えるか
3つ目の基準は、準備に使える時間です。応募数を増やしても、志望動機を作り込む時間がなければ、書類選考の通過率は上がりません。
在職中に活動する場合、平日の夜と週末に使える時間は限られます。1社あたり、企業研究と志望動機の作成に2時間、面接前の準備に1時間ほどを見込むと、週に確保できる時間から同時に進められる社数を計算できるでしょう。
週に5時間しか取れないなら、同時に動かすのは3社程度が現実的です。数を優先して準備が浅くなると、応募しても通らない状態が続き、かえって時間がかかります。1週間のうち転職活動に使える時間を書き出し、1社あたりの準備時間で割ってみてください。
「何社受ければいいか」で迷っている方へ
応募数は、多ければいいわけではありません。
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第二新卒が複数社の選考を進める方法
応募数が決まったら、次は複数の選考を同時に動かす段取りです。並行して進めると、日程や提出物の管理が煩雑になり、面接での受け答えも混ざりやすくなります。ここでは、選考状況の記録、日程の組み方、内定後という3つの判断軸について解説します。
応募先と選考状況を一覧にする
複数社に応募したら、選考状況を一覧にまとめます。応募先ごとに選考の段階も提出物の期限も違い、記憶だけで管理すると抜けが出やすくなるためです。
記録するのは、以下の6項目でよいでしょう。
- 会社名
- 応募日
- 選考の段階
- 次の予定日
- 提出済みの書類
- 面接で聞かれた内容と感じたこと
| 会社名 | 応募日 | 選考状況 | 次回予定 | 提出書類 | 面接メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| A社 | ○/○ | 一次面接 | ○/○ 14:00 | 履歴書・職務経歴書 | 研修制度の説明が具体的だった |
| B社 | ○/○ | 書類選考中 | - | 提出済み | - |
表計算ソフトでもノートでもかまいません。とくに「面接で感じたこと」は、内定が出てから比較するときの材料になるため、その日のうちに書いておくと後で助かります。応募先が5社を超えると、どの会社にどの志望動機を出したかも曖昧になるので、提出した書類の控えも一緒に保存しておきましょう。
一覧は、週に一度見直して、返信が来ていない応募先がないかを確認してください。企業からの連絡が迷惑メールに入っている場合もあります。
面接日程を詰め込みすぎない
面接の日程は、1日に2社までを目安に組みましょう。面接は思っている以上に体力を使い、間隔が詰まると受け答えの質が落ちるためです。
同じ日に3社続けると、移動と待ち時間で拘束時間が長くなり、最後の面接に力が残らない状態になります。さらに、直前の会社の話を引きずったまま次の面接に入ると、志望動機が混ざる事故も起こりかねません。
在職中なら、有給休暇の取得日にまとめたい気持ちも分かりますが、午前に1社・午後に1社までにとどめ、間に振り返りの時間を30分ほど挟むほうが結果につながります。
日程を打診されたら、その日にすでに入っている予定を確認してから返信しましょう。都合の悪い日を無理に受けるより、候補日を複数示して調整するほうが印象も良くなります。
内定後に比較できる判断軸を持つ
内定が出る前に、比較の判断軸を決めておきましょう。内定を受け取ってからでは、返答期限に追われて条件を並べる時間が取れないためです。判断軸は、譲れない条件3つと、その次に大事な条件2つ程度に整理しておくと使いやすくなります。
| 比較項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 仕事内容 | 実際に担当する業務・配属先・職種変更の可能性 |
| 働き方 | 休日・残業・勤務地・勤務時間 |
| 育成体制 | 研修期間・指導担当者・独り立ちまでの流れ |
| 給与 | 基本給・固定残業代・賞与を含む年収 |
| 譲れない条件 | 事前に決めた3条件を満たしているか |
給与額だけで比べると、賞与の有無や固定残業代の扱いで実際の手取りが変わるため、年収の内訳まで確認しておきましょう。前職を辞めた理由が残業や人間関係にあるなら、その点が改善されるかどうかを最優先の軸に据えてください。
内定の返答期限は、事情を伝えれば延ばしてもらえる場合があります。他社の結果を待ちたいときは、辞退を前提にせず、正直に相談してみてください。
第二新卒の転職で応募先選びに迷ったら軸を整理する
ここまで応募数の決め方を説明しましたが、そもそも「どんな会社を受ければいいのか」が定まらないという方もいるでしょう。その場合、足りないのは求人情報ではなく、応募先を選ぶ軸です。軸がないまま数だけ増やすと、選考が進んでも決め手を持てません。
エージェントとの面談で希望条件と職種の相性を整理する
軸が定まらないときは、転職エージェントとの面談で言語化するという方法があります。一人で考えると前職の経験の範囲で選択肢を組み立ててしまい、向いている職種を候補から外しかねません。
ツナグバは20代・未経験の転職支援に特化しており、利用者の90%が20代、平均年齢は25歳です。1人あたり平均10回以上の面談を重ね、「なぜ転職したいのか」という部分から一緒に整理したうえで、価値観に合う職種や企業を提案します。
応募数を増やすことより、面談で希望条件と職種の相性を詰めるほうが、結果的に通過率は上がるでしょう。求人紹介に加えて、履歴書の添削や模擬面接まで費用はかかりません。入社半年後の定着率は95.2%と公表されています。
面談では、決まっていない部分をそのまま話してかまいません。迷っている段階のほうが、整理できる余地は大きいでしょう。
応募先を比較する基準を決める
面談で見えてきた希望は、比較の基準に落とし込みます。基準を決めないまま求人を眺めると、給与や知名度のような分かりやすい数字に判断が引きずられるためです。
基準は、仕事内容・働き方・育成体制・給与の4つの観点から、各1〜2項目を決めると扱いやすくなります。「未経験から3年で任される範囲が広がるか」「残業は月20時間以内か」「配属先の決まり方が説明されているか」といった形で、求人票や面接で確かめられる粒度まで具体化してください。抽象的な「成長できる環境」のままでは、どの会社にも当てはまってしまい、比較の役に立ちません。
基準を決めたら、応募した会社ごとに当てはまるかどうかを記録しましょう。応募数が多くても、同じ基準で並べれば判断の軸はぶれずに済みます。
第二新卒の転職は何社受けるかより比較の質を大切にしよう
第二新卒の転職で何社受けるかは、平均に合わせて決めるものではありません。志望先の絞り込み具合、転職したい時期、準備に使える時間の3つから逆算すると、自分にとって無理のない数がわかります。複数社を受ける目的は、企業や働き方を比べる材料を手に入れて、納得のいく判断をするところにあります。
今日からできるのは、希望条件を書き出して求人サイトで検索し、該当件数を確かめる作業です。そのうえで、1週間に転職活動へ使える時間を計算すれば、同時に動かせる社数が見えます。応募したあとは、会社ごとの記録を残し、内定が出たときに同じ基準で並べられる状態にしておきましょう。
応募先を選ぶ軸そのものが定まらないときは、20代の転職支援に強いエージェントとの面談で、迷っている段階のまま相談してみてください。何社受けるかという問いは、比べる基準が決まった時点で、自然と答えが出ます。
応募数と会社選びの軸を、一緒に整理しませんか?
応募数の目安が分かっても、自分が対応できる社数や、内定後に比較する条件を一人で決めるのは難しいものです。ツナグバでは、転職したい理由と譲れない条件をWhy軸で整理し、20代・未経験から応募できる求人を一緒に比較できます。
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この記事を書いた人
この記事の監修
海老名 信行
取締役/COO
株式会社ツナグバ
大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
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