職業訓練校は高卒でも通える?高校卒業後の進路・費用・就職先を解説

職業訓練校の本当の価値とは?高卒者が知っておくべきメリットとキャリアの可能性

「高卒でも職業訓練校に入れる?」「高校卒業後すぐに通うのはおかしくない?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、高卒者や高校卒業見込みの人を対象とした職業訓練はあります。代表的なのが、都道府県の職業能力開発校などが実施する「学卒者訓練」と、ポリテクカレッジの専門課程です。

ただし、一般的にイメージされる離職者向けの職業訓練とは、対象者や訓練期間、費用、申し込み方法が異なります。

また、職業訓練校へ通えば必ず就職できるわけではありません。目指す仕事によっては、訓練を受けずに未経験求人へ応募した方が早く就職できる場合もあります。

この記事では、高卒者が利用できる職業訓練の種類や費用、選考、就職先を解説します。大学・専門学校・就職との違いも紹介するため、卒業後の進路に迷っている方は参考にしてください。

目次

高卒でも職業訓練校に入れる

高卒者や高校卒業見込みの人でも、職業訓練校へ入校できます。

厚生労働省の職業訓練には、離職者や求職者だけでなく、新規学校卒業者を主な対象とした「学卒者訓練」があります。学卒者訓練では、就職に必要な専門知識や技能を1~2年程度かけて身につけます。

また、高卒者等を対象とするポリテクカレッジの専門課程もあります。機械、電気、電子情報、建築など、ものづくり分野を中心とした実践的な訓練が特徴です。

ただし、「職業訓練校」は特定の一校を指す名称ではありません。実施主体や対象者によって複数の制度・施設があるため、自分がどの訓練に該当するのかを確認する必要があります。

高卒者が検討できる主な職業訓練

ここに、以下の比較表を挿入してください。

訓練の種類 主な対象者 期間の目安 費用の傾向 主な目的
学卒者訓練 中学・高校などの卒業者、卒業見込みの人 1~2年程度 有料のコースがある 卒業後の就職に必要な技能を身につける
ポリテクカレッジ専門課程 主に高卒者・高校卒業見込みの人 原則2年 入校料・授業料などが必要 ものづくり分野の実践技術を習得する
公共職業訓練(離職者訓練) 主に雇用保険を受給している求職者 3か月~2年程度 原則無料のコースが中心 早期の再就職を目指す
求職者支援訓練 雇用保険を受給できない求職者など 2~6か月程度が中心 原則無料 就職に必要な基礎・実践スキルを習得する

高校を卒業してすぐ進学する場合は、学卒者訓練やポリテクカレッジが主な候補です。

一方、高校卒業後に就職したものの退職した人や、アルバイトをしながら正社員就職を目指している人は、公共職業訓練や求職者支援訓練を利用できる可能性があります。

対象条件はコースごとに異なるため、学校やハローワークへ確認しましょう。

職業訓練校とは

職業訓練校とは、就職や仕事に必要な知識・技能を身につけるための訓練施設を表す一般的な呼び方です。

正式な名称は地域や運営主体によって異なり、次のような施設があります。

  • 職業能力開発校
  • 高等技術専門校
  • 技術専門校
  • 職業能力開発センター
  • ポリテクセンター
  • 職業能力開発大学校
  • 職業能力開発短期大学校

名称だけでは対象者や訓練内容を判断できないことがあります。学校名ではなく、「応募資格」「訓練期間」「目指せる職種」を確認することが重要です。

職業訓練校と専門学校は別のもの

職業訓練校と専門学校は、どちらも仕事に役立つ知識や技能を学ぶ場所ですが、設置目的や学歴上の扱いが異なります。

比較項目 職業訓練校 専門学校
主な目的 就職に必要な職業能力の習得 専門教育と資格取得
所管・制度 主に厚生労働省系の職業能力開発制度 文部科学省所管の専修学校制度
費用 無料または比較的低額。ただし学卒者向けは有料の場合がある 入学金・授業料・実習費などが必要
学ぶ期間 数か月~2年程度 1~4年程度
学歴上の扱い 原則として大学・短大・専門学校卒の学位や称号にはならない 条件を満たす課程では専門士・高度専門士の称号を得られる
向いている人 費用を抑え、仕事に直結する技能を身をにつけたい人 幅広い専門教育や学校卒業資格を重視する人

職業訓練校を修了しても、一般的には最終学歴が「専門学校卒」や「短大卒」へ変わるわけではありません。

高卒後に職業訓練校を修了した場合、最終学歴は原則として高卒のままです。ただし、履歴書には訓練校名、訓練科名、習得した技能を記載できるため、応募職種と関連する訓練であれば評価材料になります。

高校卒業後に職業訓練校へ通うメリット

費用を抑えて専門的な技能を学べる

職業訓練校は、民間の専門学校やスクールと比べて費用を抑えやすい点がメリットです。

ただし、「職業訓練はすべて無料」ではありません。

離職者向けの公共職業訓練や求職者支援訓練は原則として受講料無料ですが、高卒者を対象とした1~2年の学卒者訓練では授業料が必要な場合があります。教科書、作業服、工具、資格試験の受験料なども自己負担になることがあります。

例えば、東京都の一部の普通課程では、入校選考料や年額の授業料が設定されています。金額や減免制度は地域・年度・訓練科によって異なるため、必ず最新の募集要項を確認してください。

実習を通じて仕事に近い経験ができる

職業訓練では、教室で知識を学ぶだけでなく、機械や工具、業務用ソフトなどを使った実習が行われます。

訓練科によっては、実際の職場に近い設備を使い、製品の設計、加工、施工、プログラミングなどを経験できます。

高卒で応募できる未経験求人では実務経験を求められないことが多いものの、訓練内容と応募職種が一致していれば、仕事への理解や意欲を伝えやすくなります。

ただし、職業訓練は職歴そのものではありません。面接では「訓練を受けた」という事実だけでなく、何を習得し、仕事でどう生かせるのかを説明しましょう。

就職支援を受けられる

職業訓練校では、訓練だけでなく、履歴書の作成、面接対策、求人情報の提供などの就職支援を受けられることがあります。

地域企業とのつながりを持つ訓練校では、訓練内容に関連した求人を紹介してもらえる場合もあります。

高校卒業後の就職活動で「何から始めればよいかわからない」という人にとって、訓練と就職活動を並行できることは大きなメリットです。

資格取得を目指せる

訓練科によっては、次のような資格取得に必要な知識を学べます。

  • 電気工事士
  • 危険物取扱者
  • 建築CAD関連資格
  • ITパスポート
  • 基本情報技術者試験
  • 簿記検定
  • 介護職員初任者研修
  • 溶接関連資格
  • 自動車整備士

取得できる資格や受験資格、試験免除の有無は訓練科によって異なります。「資格を取れると思って入校したが、実際には試験対策だけだった」ということがないよう、募集要項を確認しましょう。

高卒者が職業訓練校へ通うデメリット

大卒や専門学校卒の学歴にはならない

職業訓練校を修了しても、原則として大学卒や専門学校卒にはなりません。

求人票に「大卒以上」「専門学校卒以上」と明記されている場合、訓練校の修了だけでは応募条件を満たせない可能性があります。

学歴を重視する企業や、大学卒業資格が必要な進路を希望している場合は、大学・短大・専門学校への進学も検討しましょう。

なお、ポリテクカレッジは名称に「大学校」とありますが、文部科学省所管の大学とは異なり、原則として学士号は取得できません。

学べる分野が限られる

職業訓練は地域の雇用需要を踏まえて実施されるため、希望する職種の訓練科が近くにない場合があります。

特に学卒者向け訓練やポリテクカレッジは、機械、電気、電子、建築、自動車整備などの技術分野が中心です。

デザインや美容、観光、医療など、より幅広い分野を学びたい場合は、専門学校の方が選択肢を見つけやすいことがあります。

選考に不合格となる可能性がある

職業訓練校は、申し込めば必ず入校できるわけではありません。

定員を超える応募があった場合などは、筆記試験や面接による選考が行われます。面接では、志望動機、就職意思、訓練内容への理解などを確認されるのが一般的です。

「無料または安いから」という理由だけではなく、修了後にどのような仕事を目指すのかを説明できるようにしておきましょう。

入校することで就職時期が遅くなる

1~2年の訓練を選べば、その分、正社員として働き始める時期は遅くなります。

訓練が必要な技術職を目指しているなら有効な投資ですが、営業、販売、接客、事務など、未経験から応募できる仕事を希望している場合は、すぐに就職活動を始めた方がよい可能性もあります。

ここが、職業訓練校を選ぶうえで最も重要な判断ポイントです。

職業訓練校で学べる主な分野と就職先

職業訓練校では、地域や施設によってさまざまな訓練科が設けられています。

訓練分野 学ぶ内容の例 想定される就職先・職種
機械・ものづくり 機械加工、製図、CAD、溶接 製造、機械オペレーター、生産技術、CADオペレーター
電気・設備 電気工事、制御、設備保守 電気工事士、設備管理、メンテナンス
建築 建築CAD、施工、木工、内装 施工管理補助、設計補助、建築・内装関連職
IT プログラミング、ネットワーク、Web制作 ITサポート、プログラマー、Web制作補助
事務・ビジネス パソコン操作、簿記、会計、ビジネスマナー 一般事務、営業事務、経理補助
介護・福祉 介護知識、身体介護、生活支援 介護職、福祉施設スタッフ

コース名が同じでも、訓練内容や目指せる資格は施設によって異なります。コース名だけで判断せず、授業内容と修了生の就職先を確認しましょう。

高卒者が職業訓練校へ入るまでの流れ

1.目指したい仕事を決める

最初に、「どの訓練校へ行くか」ではなく「どのような仕事を目指すか」を考えます。

目的が曖昧なまま入校すると、訓練を修了しても学んだ内容を就職に生かせない可能性があります。

興味のある仕事がわからない場合は、仕事内容、働き方、給与、必要な資格などを調べ、選択肢を絞り込みましょう。

2.自分に合う訓練を探す

学卒者向けの訓練は、都道府県の職業訓練担当窓口や各訓練校のWebサイトで確認できます。

求職者向けの公共職業訓練や求職者支援訓練は、ハローワークインターネットサービスの「ハロートレーニングコース情報検索」などから探せます。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 応募資格
  • 年齢条件
  • 募集期間
  • 訓練期間
  • 授業料と自己負担額
  • 選考方法
  • 取得を目指せる資格
  • 修了生の就職先
  • 就職支援の内容

3.学校説明会や見学会へ参加する

可能であれば、申し込み前に説明会や見学会へ参加しましょう。

設備や授業の雰囲気を確認できるだけでなく、訓練内容、費用、就職先について直接質問できます。

見学時には「未経験者がどこまで習得できるか」「修了生がどの職種へ就職しているか」を聞くことをおすすめします。

4.願書を提出する

学卒者訓練やポリテクカレッジは、各訓練校へ願書を提出するのが一般的です。

離職者向け訓練や求職者支援訓練では、ハローワークで求職申込みや職業相談を行ったうえで申し込む場合があります。

制度によって窓口が異なるため、募集要項に記載された手順に従いましょう。

5.筆記試験や面接を受ける

選考では、国語・数学などの基礎学力を確認する筆記試験、適性検査、面接などが行われることがあります。

面接で整理しておきたい内容は次の3点です。

職業訓練校の面接前に整理したい3項目

  1. 志望理由:なぜこの訓練科を選んだのか
  2. 就職目標:修了後にどのような仕事へ就きたいのか
  3. 行動計画:訓練中に何を学び、どう就職活動を進めるのか

高得点だけでなく、訓練を継続できるか、就職意思があるかも重要です。

職業訓練校・大学・専門学校・就職で迷ったときの判断基準

高校卒業後の進路は、費用だけで決めると後悔する可能性があります。

目指す仕事と、そこへ到達するために必要な経験から逆算しましょう。

選択肢 向いている人 注意点
職業訓練校 費用を抑えて、特定の仕事に必要な実践技能を身につけたい人 学歴が大卒・専門学校卒になるとは限らない
大学 幅広く学び、大卒資格や将来の選択肢を重視したい人 学費と学習期間の負担が比較的大きい
専門学校 特定分野の資格や専門士の称号を目指したい人 分野によって学費が高く、途中で進路変更しにくい
すぐに就職 働きながら経験を積み、早く収入を得たい人 仕事内容を理解せず入社するとミスマッチが起こりやすい

ツナグバが考える「職業訓練を受けるべき人」と「すぐ就職できる人」

高卒だからという理由だけで、職業訓練校へ通わなければならないわけではありません。

重要なのは学歴ではなく、目指す仕事に事前訓練が必要かどうかです。

職業訓練を受ける価値が高い人

  • 電気、機械、建築など、専門技能が必要な仕事を目指している
  • 資格取得や受験資格が就職に影響する
  • 実習を通して適性を確かめたい
  • 独学では習得しにくい設備・技術を学びたい
  • 学費を抑えて長期的に技能を身につけたい

すぐに就職活動を始めてもよい人

  • 営業、販売、接客、事務など未経験求人がある仕事を希望している
  • 学びたい分野や取得したい資格が決まっていない
  • できるだけ早く収入を得たい
  • 座学よりも実務を通して成長したい
  • 職業訓練を受ける目的を説明できない

20代の採用では、学歴だけでなく、仕事への意欲や今後の成長可能性を評価する企業もあります。

「高卒だから、まず資格を取らなければならない」と思い込まず、現在の状態でも応募できる仕事を確認したうえで判断しましょう。

職業訓練へ通うか、すぐ就職するか迷っていませんか?

高卒・未経験から応募できる仕事はあります。
ツナグバでは、希望する仕事や現在の状況を整理し、訓練を受けるべきかを含めて一緒に考えます。

20代向けの無料相談を利用する

相談は無料です。就職を無理に勧めるものではありません。

高卒から職業訓練校へ進む場合のよくある質問

Q. 高校卒業後すぐに職業訓練校へ入れますか?

高校卒業者や卒業見込みの人を対象とした学卒者訓練や、ポリテクカレッジの専門課程があります。ただし、離職者向け訓練とは応募条件や申し込み方法が異なるため、各校の募集要項を確認してください。

Q. 職業訓練校は高卒でも無料ですか?

すべて無料ではありません。求職者向けの訓練は原則無料の場合が多い一方、高卒者などを対象とする長期の学卒者訓練では授業料が必要なことがあります。教科書、作業服、工具、資格試験料なども確認しましょう。

Q. 職業訓練校を修了すると最終学歴はどうなりますか?

高卒後に職業訓練校を修了しても、原則として最終学歴は高卒のままです。専門士や学士などの称号・学位を得られるとは限りません。ただし、訓練歴や習得した技能は履歴書でアピールできます。

Q. 高卒で職業訓練校へ行くのは恥ずかしいですか?

恥ずかしいことではありません。就職に必要な技能を身につけるための公的な進路の一つです。ただし、周囲の評価ではなく、目指す職種に訓練が必要かどうかで判断することが大切です。

Q. 高校在学中でも職業訓練へ申し込めますか?

卒業見込みの高校生を募集している学卒者訓練やポリテクカレッジであれば、在学中に出願できます。一般選考だけでなく、学校推薦などが設けられている場合もあるため、進路指導の先生や希望校へ相談しましょう。

Q. 職業訓練校に年齢制限はありますか?

コースによって異なります。年齢制限を設けていない訓練もあれば、「おおむね30歳以下」などの条件がある訓練もあります。高卒以上の学力を条件としているケースもあるため、応募資格を確認してください。

Q. 職業訓練校へ通えば必ず就職できますか?

就職が保証されるわけではありません。訓練内容と希望職種が一致しているか、訓練中から就職活動を進められるかが重要です。修了すること自体ではなく、習得した技能を仕事でどう生かすかを説明できるようにしましょう。

Q. 職業訓練校と就職のどちらを選べばよいですか?

希望職種に専門的な訓練が必要なら職業訓練校、未経験から応募できる仕事を希望するなら就職活動を先に始める方法があります。判断できない場合は、訓練校だけでなく就職支援サービスからも求人情報を得て比較しましょう。

高卒だからではなく目指す仕事から職業訓練を選ぼう

高卒者や高校卒業見込みの人でも、職業訓練校へ入校できます。

高校卒業後すぐに通う場合は、学卒者訓練やポリテクカレッジが主な選択肢です。すでに卒業して求職活動をしている場合は、公共職業訓練や求職者支援訓練を利用できる可能性もあります。

職業訓練校には、費用を抑えながら実践的な技能を学べるメリットがあります。一方で、専門学校卒や大学卒の学歴になるとは限らず、訓練期間中は就職時期が遅くなる点に注意が必要です。

職業訓練へ通うべきかは、高卒という学歴だけでは決められません。まずは希望する仕事にどのような技能や資格が必要なのかを確認しましょう。

訓練が必要な技術職なら、職業訓練校は有力な選択肢です。未経験から採用されやすい仕事であれば、訓練を受けずに就職活動を始める方法もあります。

ツナグバでは、20代・未経験者の仕事探しを無料でサポートしています。「進学と就職のどちらが自分に合うかわからない」という段階でも、希望や適性を整理しながら相談できます。

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この記事の監修

海老名 信行

海老名 信行

取締役/COO
株式会社ツナグバ

大学卒業後、株式会社ギャプライズにてWebマーケティング支援の営業として、大企業を中心とした新規顧客開拓とリレーション構築に従事。
次に、株式会社サイファーポイントに取締役/営業責任者として参画。新規顧客開拓、DXコンサルティング、WEBマーケティング支援を経験。
プロフィール紹介

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